時短労働でき、高時給の派遣で働きたい若い人が増えていますよね。しかしながら、派遣薬剤師の実態を考えると、積極的に派遣を使いたい薬局や病院は多くはありません。では、派遣会社や求人票からでは見えない、派遣の実態とはどのようなものがあるでしょうか?
- 「派遣時給2300円、派遣会社にピンハネされてるかも…」
- 「出向先の薬局長から、給料に見合った仕事をしていないと言われた…」
- 「正社員から派遣になれば、産休や育休を自由に取れるよね…」
単刀直入に言うと、実は薬剤師派遣は受け入れる側からは歓迎されていません。
なぜならば、正社員やパートよりも時給が高い上に、派遣会社に30%の紹介料を支払う必要があるからです。私たち薬剤師が3千円で募集してる派遣で働く場合、受け入れ先は3900円の人件費を負担します。4千円ならば薬局の負担額は、30%のマージン料込みで5200円です。
人件費が高い派遣を受け入れる理由は、正社員やパートだけではシフトを埋められないからです。
派遣社員を受け入れる事を理屈では理解しても、自分たちより2倍も高い派遣を受け入れるのはストレスですよね。そのため、長期前提で現場に出向しても、出向先で新しい人材を確保すれば、派遣は契約解除されるリスクもあります。
ここでは、派遣で働く薬剤師の実態を紹介します。薬剤師派遣はリスクがある働き方だが、それでも個人的には派遣が悪いとは思っていません。なぜならば、派遣の最大のメリットは、短期間で高収入を得られるからです。デメリットやリスクを把握した上で利用したいですね。
- 薬剤師は人件費が高いと受け入れ側で嫌われている?
- 年収にしたら、実は想定年収よりも給料が低かった?
- 長期で働くつもりが、最短1ヶ月契約解除もある?
記事の内容を簡単に知りたい
出向先で歓迎されてないと聞いたけど本当なのか…
時給が高いからと派遣になったけれども、不満を嘆く薬剤師は多いですね。
Aさん)給料に見合った仕事をしていないと言われた…
5年目薬剤師です。昨年病院から転職し、派遣薬剤師として大学病院前某薬局でお世話になって半年です。この薬局で4件目になり、そろそろ正社員で働こうと考えておりました。自分の至らない点もあるとは思うのですが今朝とてもショックなことがあり昼食、夕食も喉が通らなく、話せる相手がいなくここで書かせていただきます。
今朝普段は温和な薬局長(40半ば)から「正社員(3人)の倍以上の時給なのにあなたはそれに見合った仕事をしていない、もっと積極的になって欲しい、社員の負担が大きすぎる。」と突然注意を受けました。今までそんな兆候もなくむしろ「いつも投薬してもらってばかりですみません、助かります。」と言っていただいておりました。
正社員は40代の女性の方達です。派遣は期間も数か月~半年と短いことが多いので投薬メインですが、掃除など雑用でもできることはさせていただきたく「お手伝いさせていただきたいので教えてもらいたいのですが。」というと「大したことしていないので。」「大丈夫です」というやり取りが3~4日続いたり、少し手伝うと「やらないでもらっていいですか」と言われてしまうこともあり、投薬を頑張ろうと嫌な態度や表情は我慢していました。派遣は一包化、散剤分包機は複雑なので社員さんにやってもらっていますが(最初にそう言われたので)、軟膏詰め、半錠、水剤は自分でも行っていいと教えてもらい(自分で聞いてようやく教えてもらったことです)、戦力になるようにせめて投薬も積極的に頑張り(投薬数だけで言えば一番多く出す日がほとんどです)、最近はこのような日々に慣れてきた所でした。
以前にも私と同じ派遣の方がいましたが、その方は社員さんにも評判良かったので派遣が嫌いというわけでなく私のことが嫌いというだけだと思いますが、消極的で仕事も聞かなかった=積極的じゃない、ではなく断られても「いえ!私がやるので!」と仕事を奪う勢いがない=積極的じゃない、ということを言われているように感じました(実際もできることは聞いたけど毎回断られて静かに席に戻る、だったので)。薬局長にもその出来事を伝えると「派遣だから気を使っていたんだと思う。もっと押して押して仕事聞いてきてください。」と言われました(かと言って具体的に社員の方が他にどんな仕事をして、私には何ができるのかは薬局長は社員さんに聞いてくださいと言うだけでした)。
トイレに行ったり、水分補給したりするときも視線も感じ、今日はトイレも水分補給もしなかったら話しかけてきたり機嫌がよかったです。また残業しないようにと自分の薬歴が残っているだけなら明日以降にまわすのですが、社員さんより先に帰るのは良く思われていない(言われていないですが、お先失礼致しますというと威圧的な雰囲気がすさまじく、無視されてしまうことが多い)ようで、タイムカードは定時できって社員さんが帰るまでサービス残業で空気が軽くなります。自分の時間を犠牲にすれば吸える空気になるので、サービス残業はしょうがないと割り切っています。
今までの職場ではこのようなことは全くなかったのでショックなのもあります。読んでくださる方の中で私のここが悪いとあればご教授お願いしたいですが、この通り弱い私なので、読んで頂けたことが非常にありがたいです。長文、乱文大変失礼しました。
参考:Yahoo知恵袋
全ての職場ではないが、派遣薬剤師は厳しい目で見られガチです。厳しい目で見られる原因は、正社員やパートと比較して、派遣の給料が高い事にあります。派遣薬剤師の給料が3千円でも、派遣会社の取り分も含め、薬局が負担してる人件費は4千円を超えます。
パート時給が2千円だけならば、現場の薬剤師は面白くないですよね。そのため、派遣薬剤師は給料に見合った仕事を期待されます。人材不足だから派遣を受け入れていても、現場では経営者と同じ気持ちで歓迎されるとは限りません。
Bさん)想定していたよりも派遣の時給が低い…
派遣で薬剤師をしている方・したことがある方に質問です。現在、私は神奈川県で派遣薬剤師をやっています。新卒から正社員で6年調剤薬局で働きましたが、店舗の人間関係に疲れて退職。それから派遣で働いています。
「派遣」という働き方自体は気に入っているのですが、時給が2300円です。知り合いの薬剤師に「時給が安いから派遣会社に交渉したら?」と言われ、実際に交渉したのですが、「今はどの派遣会社でも薬剤師さんの時給は下がってますよ」と言われてしまいました。案件をある程度コンスタントにくれる会社なので、あまり強く言ってトラブルになるのも・・・と思い、それ以上は話していませんが、派遣の薬剤師って時給いくらぐらいが相場なんでしょうか?
また、実際に派遣薬剤師の時給って下がっている傾向なのでしょうか?参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の派遣で時給2300円は低いですね。パートの全国平均は2196円だが、パートと比較して派遣は+500円が相場になります。薬剤師が少ない地域であれば、4千円を超える求人も少なくありません。
また、薬剤師の時給が減少傾向にある事実もありません。むしろ、薬剤師が少ない地域では、派遣の需要は高く上昇しています。まずは、派遣会社の担当者にもう1度交渉して見ましょう。派遣会社が不当にピンハネしてる可能性も十分にあります。
Cさん)派遣になれば産休や育休が自由に取れるはず…
今後の働き方について。31才、女、薬剤師。調剤経験約6年。薬局に転職(正社員)して約4ヶ月なのですが、今後の働き方で悩んでます。
- 近々結婚の予定あり。結婚後は年齢のこともあり、早めに子供がほしい
- 子供が出来てからも仕事はやめずに、産休育休などの制度を使って続けたい(経済面とブランクをあまり作りたくないので)
- 産休まで負担がなるべく少ない方法で働きたい
という希望があります。前職は通勤時間が一時間前後(都心の電車通勤)あり、妊娠時の負担を考えて結婚前に転職しました。転職後の職場は年収約480万。人数構成は薬剤師4人(40代2人と30代後半の薬局長と私)、事務2人(たぶん30代)の合計6人。全て女性の職場です。(良い面)
妊娠した時に正社員でこのまま働くことに不安を抱えています。もし自分が結婚妊娠したら周りに負担がかかるし、子育て中の方にも負担がかかり愚痴のターゲットになりそうで…(今は良くしてくれてますが)。例えば入籍を12月~2月頃にしてその後すぐ妊娠→出産…出産時には入社後1年半程度になるので産休育休を取るのに問題ないですが、どうなんでしょう。
最近は正社員より派遣での働き方の方が合ってるのではないかと考えるようになりました。派遣薬剤師として比較的近場で社保加入の目安の週30時間程度働き、産休育休を取る方が働き方として負担が少なさそうで…
- 大手の薬剤師派遣会社は福利厚生も整えており、産休育休を始め有休の取得も可能。健康診断、勉強会などもあり
- 育休明けの復帰を見込んで就労証明を書いてくれる(保育園の申し込みでの優先順位は正社員よりは低そうだが…)
- 数ヵ月単位で色々な職場を見ることも可能なので、スキルに偏りが出にくそう
- 時給が高い2500~3000円など→なので週30時間勤務でも月の収入は今よりも多くなる
- 正社員より色んな面で負担が少なさそう?
- 30時間を目安に働くので週4勤務で良く、休みが多い
色々ありますが、妊娠時の周りへの負担など総合的に考えて今の働き方は正社員より派遣の方が良いのかな…という考えが強くなってきています。客観的に見て感じたことなど、アドバイス頂けたら嬉しいです。
参考:Yahoo知恵袋
結婚や出産を機に派遣を検討する女性薬剤師が増えていますね。最近の派遣会社は、福利厚生を整え産休や育休の制度を取る会社も増えています。
しかしながら、制度があるからといって、必ずしも安心とは限りません。派遣会社も自分たちが損しないように制度作りをしています。産休や育休が取れるとはいえ、出社できない社員に給料を支払い続ける事はありません。派遣会社を利用する場合も、現状をしっかりと相談した上で行動に移しましょう。また、現在の職場の上司にも相談した方が良いですね。
派遣になれば、問題が全て解決すると考えるのは非常に危険です。条件によっては、多少時給が低くてもパートが向いてる人もいます。
では、私たちが派遣で働く場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?
派遣薬剤師の実態とは?人件費が高いと嫌われてる?
人件費が高い派遣薬剤師は、実は出向先では歓迎されていません。
実態1:人件費4千円以上、出向先では歓迎されてない?
- 直接雇用されるパートと違い、派遣は紹介手数料が発生する
- 時給3千円ならば、薬局の人件費負担は3900円になる
- 派遣薬剤師の時間給は、パート社員よりも2倍も高い
- パート薬剤師は、2200円程度しか貰えない
- 時給が高い派遣社員は、周囲からの嫉妬や期待が大きい
派遣される先は、薬剤師が足りていない薬局や病院ですね。しかしながら、私たち薬剤師が派遣されても、現場で歓迎されるとは限りません。
なぜならば、私たち派遣の給料が正社員やパート以上に高額だからです。時給3千円で派遣薬剤師でも、実際に薬局店舗が負担する人件費は3900円前後です。薬局店舗は、派遣会社に30%の紹介手数料を支払う必要があります。
人件費が高くても経営者が派遣を受け入れる理由は、正社員やパートで足りない分を外部の人材で埋めるためですね。しかし、理屈では理解していても、時給2千円で働くパート薬剤師から見たら面白くはないですよね。
現場で長く働き仕事が慣れてる薬剤師よりも、外部からきた薬剤師の方が時給が高いです。職場次第では、嫌がらせを受ける派遣社員も実際にいます。
実態2:年収換算にしたら意外と年収は低い?
- 薬剤師の時給4千円、月給換算で70万円、年収で840万円
- 薬剤師の時給5千円、月給換算で88万円、年収で1056万円
- 有給休暇、産前産後休暇、育児休暇など福利厚生が充実
派遣の求人には「年収800万円以上稼げる」と謳う広告も少なくないですね。
しかしながら、派遣会社が想定する年収よりも、実際に貰える給料は少ないです。派遣会社の想定年収では、1日に8時間、月22日間勤務で計算しているからです。実際には、契約解除されて給与が発生しない期間もあるし、祝日や体調不良による無給休暇があります。
また、最近では有給を付与する派遣会社も少なくありません。
しかしながら、有給が付与されるのは、派遣で1年以上就労するなどの条件もあります。また、1〜2年間も出社できない派遣社員に、産休や育休を保証し続ける会社もありません。派遣就労を決める前に、しっかりと条件面を確認した上で働きましょう。
期待したよりも年収が少ない、産休や育休がないと不満を嘆く人も実際にいます。
実態3:最短1ヶ月で契約を打ち切られる事も?
- 契約期間は1〜3ヶ月毎に更新され、最短1ヶ月で退場もある
- 派遣法により、ひとつの職場で働ける期間は最大3年間
- 長期契約のつもりでも、状況が変われば契約更新されない
派遣薬剤師は、3ヶ月〜2年程度で職場が変わります。
長期前提に派遣されても契約期間は1〜3ヶ月毎なので、最短1ヶ月で解雇される事もあります。また、働きやすい職場で長く勤めたくても、派遣法により最大で3年しか契約できません。
私たち派遣薬剤師は、正社員やパートで足りないシフトを埋めるために採用されます。そのため、正社員やパートの募集があると、急遽契約を解除される可能性もあります。人件費が高い派遣薬剤師は、経営者から見たらネックですね。
ひとつの職場で長く働き続けたい人は、派遣よりもパートの方が向いてます。
以上が、派遣薬剤師の実態ですね。派遣はリスクがある働き方ですが、それでも個人的には派遣が悪いとは思っていません。なぜならば、派遣の最大のメリットは、短期間で高収入を得られるからです。
リスクやデメリットを理解した上で利用すれば、私たちの生活を助けてくれますね。では、高時給の派遣やパートを探すには、具体的にはどうすれば良いのでしょうか?
薬剤師の派遣・パートで高時給の求人の探し方は?
私たち薬剤師が、好条件で派遣やパートで働くにはどうすれば良いのでしょうか。
方法1:福利厚生や研修が充実してる派遣会社を選ぶ
派遣会社 | 求人数 | 有給条件 | 健康保険 | 教育制度 |
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薬キャリ | 57,673件 | 3ヶ月 | 21,250円 |
|
ファルマスタッフ | 60,737件 | 1年以上 | 24,250円 |
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ヤクジョブ | 95,599件 | 1年以上 | 24,000円 |
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派遣やパートで働く際には、派遣会社選びが重要になります。
派遣会社を選ぶ際には、福利厚生や教育体制がしっかりしている会社を選ぶべきです。例えば、有給を付与される条件は、薬キャリだと3ヶ月以上の就労だけです。対して、ファルマスタッフやヤクジョブでは、1年間の就労が条件ですね。
また、教育制度がしっかりしている派遣会社の方が良いですね。
派遣会社で最も教育に力を入れてるのは、ファルマスタッフです。入職導入研修をはじめ、キャリア支援研修など、ブランクがある女性薬剤師にも支援を行っています。認定薬剤師の単位取得をサポートし、費用を全額サポートしてくれる派遣会社もあります。
方法2:時給4千円以上の派遣・パートを探す
公式サイト:薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
転職サイトを利用すれば、簡単に高時給の派遣・バイト求人を探せます。
転職サイトで求人検索すると、パートの全国平均2,196円よりも高収入の案件がたくさんありますね。派遣に限って言えば、6割以上の求人が時給3,000円以上です。「ファルマスタッフ」だと時給4000円以上の求人は22件、時給3000円以上は640件も見つかります。
薬剤師が少ない地域だと、平日で時給が4000円を超える求人もあります。
まずは、自分が住んでいる地域で、高時給の案件がないか検索してみましょう。検索条件に都道府県と希望時給を入力すれば簡単に探せますね。また、自分で探すよりも、キャリアコンサルタントに依頼した方が効率良く案件を探せます。
方法3:コンサルタントに高単価の案件を探してもらう
- 公開求人と非公開求人から、高時給の案件を探してくれる
- 派遣やパートどちらが良いか、多角的にアドバイスしてくれる
- 地域内で案件がなくても、交通圏内で求人を探してくれる
- 勤務地や条件に合わせて、求人をスクリーニングできる
- 条件に納得できなければ、担当者に給与交渉してくれる
- 薬事師専門の転職プロから、客観的なアドバイスが得られる
派遣やパートの案件を探す際には、コンサルタントに依頼した方が効率良く探せます。
コンサルタントに依頼すると、一般に公開されてない非公開求人からも案件を探してくれます。転職サイトやハローワーク、町の求人情報だけでは限界がありますね。地域内で高時給の案件がなくても、交通圏内で条件に合う求人をリストアップしてくれます。
また、細かく条件を設定できるメリットも大きいです。「〇〇駅から徒歩20分圏内」「時給3500円以上」「週3日労働〜」など、条件に合致する求人を探してくれます。給与条件が合わない場合も、キャリアコンサルタントが給与交渉してくれます。
まとめ:人件費が高いと現場で嫌われてる?
- 薬剤師は人件費が高いと受け入れ側で嫌われている?
- 年収にしたら、実は想定年収よりも給料が低かった?
- 長期で働くつもりが、最短1ヶ月契約解除もある?
薬剤師派遣は受け入れる側からは、あまり歓迎されていないですね。なぜならば、正社員やパートよりも時給が高い上に、派遣会社に30%の紹介料を支払う必要があるからです。私たち薬剤師が3千円で募集してる派遣で働く場合、受け入れ先は3900円の人件費を負担します。4千円ならば薬局の負担額は、30%のマージン料込みで5200円です。
人件費が高い派遣を受け入れる理由は、正社員やパートだけではシフトを埋められないからです。
派遣社員を受け入れる事を理屈では理解しても、自分たちより2倍も高い派遣を受け入れるのはストレスですよね。そのため、長期前提で現場に出向しても、出向先で新しい人材を確保すれば、派遣は契約解除されるリスクもあります。
それでも個人的には派遣が悪いとは思っていません。なぜならば、派遣の最大のメリットは、短期間で高収入を得られるからです。デメリットやリスクを把握した上で利用したいですね。派遣がいないと薬局経営が成り立たないのは事実です。
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