年収が300万円に届かない会社員は、全体の40.9%もいます。近年は薬剤師業界でも、年収300万円時代という言葉誕生しています。国家資格を取得して薬剤師になっても、年収が390万円を下回る事はあるのでしょうか?
- 「病院勤務27歳で年収は320万円、昇給額は5千円だけ…」
- 「薬剤師が少ない地域の薬局勤務、32歳女性で年収300万円強…」
- 「学費に1200万円掛けたのに、賞与はたったの20万円だけ…」
国家資格を取得しても、年収が390万円に届かない薬剤師もいます。
病院薬剤師は初任給が少ない上に昇給もなく、大半が年収390万円未満で働きます。調剤薬局に勤務した場合の初年度の年収は、350〜400万円です。そのため、調剤薬局でも最初の2〜3年は年収390万円以下で働きます。
薬学部を卒業した人の就職先は、調剤薬局や病院勤務が6割を占めます。
そのため、年収390万円以下で働く薬剤師は意外と、少なくない事がわかりますね。都市部では薬剤師の数は飽和し、医療費削減や診療報酬改定もあり、年収390万円の割合は今後も増えそうです。
ただし、一般の会社員と違い、年収300万台を抜け出すのは簡単です。
調剤経験さえあれば、1回の転職で年収は50〜150万円は増えます。390万円以下の方が例外的なので、働き方を変えるだけで収入は簡単に増えます。薬剤師ほど、働き方や収入をコントロールしやすい職業は他にありません。
ここでは、薬剤師の年収が390万円を下回る働き方を紹介します。また、年収400万円の薬剤師が、簡単に年収を増やす方法も紹介します。転職サイトで検索すれば、求人の95%以上は年収400万円以上の案件です。
- 薬剤師の年収が頭打ちすると言われる3つの理由は?
- 薬剤師は、本当に年収500万円で頭打ちなのか?
- 年収700万円以上を稼ぐ薬剤師の特徴は?
記事の内容を簡単に知りたい
薬剤師なのに、年収は390万円を下回っている…
国家資格を取得したにも関わらず、年収390万円を下回る薬剤師は少なくありません。
Aさん)病院勤務27歳で年収は320万円だけ…
質問を見て頂きありがとうございます。現在、結婚を考えている相手がいます。私の給与体系ですが、
- 職種:病院薬剤師
- 年収:320万円(昇給5000円/年)
- 年齢性別:27歳(男)
- 年間休日:100日前後(日当直がなければカレンダー通り)
- 有給消化率:0%
- その他備考:当直以外は6時前に帰宅
この年収を見て、安いと思いますか?それとも、標準だと思いますか?回答者様の客観的な意見を教えてください。患者さんのために働くのは苦にならないのですが、いざ家庭を持つためには、これでは生活できないのではないかと心配です。彼女に生活で苦労をかけたいとは思っていません。正直、転職も考えています。
参考:教えて!Goo
薬剤師の平均年収は542.5万円なので、年収320万円は少なすぎます(参考:薬剤師の年収は542.5万円|男女別、年代別、会社別の相場は)。しかしながら、病院薬剤師に限定した場合は、特別に少ない給料ではないですね。
病院勤務の場合は、年収300万円台で働く薬剤師はたくさんいるからです。仕事内容が厳しい割に昇給額は少なく、30歳を超えても400万円を超えるのも難しいです。結婚を考えているならば、病院以外の働き方も選択肢に入れた方が良いかもしれないですね。
Bさん)調剤薬局6年目で年収は300万円強しかない…
正社員を考えるかどうか。調剤薬局の薬剤師を6年しています。現在32歳で第一子妊娠中23週です。32時間パートをしており、28週で退職予定です。現在は手取り24万ほど、年収300万強です。年収よりも子育て優先で理解のある職場ということで仕事を探して貰ったところ、以下の会社などからお声がかかりました。電車1駅や、車20分以内の薬局です。
【給与】
年収の場合: 450万円〜600万円
時給の場合: 2000円〜2100円
【雇用形態】正社員/アルバイト・パート
【勤務時間】9:00〜18:00
【年間休日】110日保育園激戦区ですが、許可外は枠をおさえることなど可能で、どこも大体保育園は20時まで延長保育可能です。病児保育も様々なところがやっています。夫は管理薬剤師で7時半出勤20時半帰宅で、家事は殆どしてくれています。
第一子を出産してから半年~一年で就職し、一年離して第二子を考えています。
金銭的にはローンなし持ち家、車あり、教育費は親から4千万ほど贈与、夫の年収600万と、差し迫っている訳ではありませんが、いつかは正社員をしたい、しかしタイミングを逃しそう、ブランクがあくと不安という感じです。育児との両立は難しいのでしょうか。アドバイス頂けますと幸いです。
参考:Yahoo知恵袋
調剤薬局に勤務して6年で、年収300万円は少なすぎですね。正社員勤務ではなくても、調剤薬局の派遣薬剤師の時給は2600〜3000円が相場です。薬剤師が足りていない地域に行くと、4000円の求人も少なくありません。
また、薬剤師は女性の割合が6割を占めるため、結婚後や出産後も働きやすい職業ですね。女性でも平均年収は524万円もありますね。調剤薬局に勤めるならば、最低でも400万円以上の職場を探した方が良いですよね。
Cさん)薬局薬剤師5年目で夏の賞与は20万円…
「薬剤師はすごく儲かる」こちらが大学6年間に学費1200万円要し、今年で5年目になる薬局薬剤師の夏ボーナスです#一般人の方が時々誤解しておられること
薬剤師とか言っても民間企業のサラリーマンだから、ボーナスなんぞ御上のさじ加減で会社ごとにピンキリですわ
調剤薬局に勤務しても、賞与で20万円しか支給されない職場もあります。薬剤師の給与は、病院や薬局、ドラッグストアなど、どこで働くかでも大きく違います。また、薬剤師が多い都市部か、薬剤師が少ない地方で働くかでも違います。
薬剤師の資格があるからと言って、将来は安泰だと考えるのは危険ですね。では、薬剤師で年収390万円を下回るのは、どのような働き方でしょうか?
薬剤師で「年収390万円」を下回る働き方は?
薬剤師の年収が減少傾向にあると言われるが、年収390万円以下で働く薬剤師はどれくらいいるのでしょうか?
その1:病院勤務は30代でも「390万円」は多い?
総合病院や民間病院で働く、薬剤師の平均年収は低いです。
転職サイトで病院勤務の薬剤師を検索すると、「390万円〜」で募集している求人は少なくないですね。病院勤務の場合、薬剤師の初年度の年収は300〜350万円(初任給は20〜25万円)です。
昇給額も少なく、30代前半でも年収390万円以下で働く薬剤師は多いです。東京都のある総合病院では、6年大卒向けに次の求人を出しています。
- 基本給:186,000円(勤続給100,000円+職能給86,000円)
- 調整手当:21,000円
- 住宅手当:5,000~18,000円
- 賞与:4ヶ月
- 合計:212,000~225,000円
病院勤務で働いた場合、年収390万円以下は珍しくありません。
参考:病院薬剤師の年収は400万円だけ?|国県立と民間病院の違い
その2:調剤薬局の初任給は「350〜400万円」?
調剤薬局に新卒で入社した場合、平均年収は350〜400万円が相場です。
業界大手である日本調剤の初任給は、350万円に設定されています。日本調剤に就職した場合、30さいで502万円、40歳で612万円前後稼げますね。調剤薬局に勤務した場合、30代前半で年収500万円がひとつの目安になりますね。
調剤薬局に勤務すれば、年収390万円以下は新卒入社時の数年間だけです。
しかしながら、薬剤師の数が少ない都道府県で働くと、30代でも平均年収300万円台で働きます。例えば、全国最下位の三重県の平均年収は437万円、宮城県は471万円、石川県は477万円です。全国平均よりも、70〜110万円も低いですよね。
まとめると、調剤勤務の場合は20代前半だと、大半が390万円以下で働きます。しかしながら、2〜3年後には年収は400万円を超えますね。ただし、薬剤師の数が少ない地域に行くと、30代前半でも年収390万円以下もあり得ます。
調剤薬局勤務で年収300万台の人は、在住する地域の平均年収を確認しましょう。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
その3:ドラッグストアなら初任給で「500万円」?
主にリクルート2018からドラッグストアまとめ
- ウエルシア :新卒年5,175,000円
- ツルハ :新卒月286,640~321,640円(薬剤師手当込)賞与年2回
- マツキヨ :新卒年4,585,910~5,055,000円
- コスモス :新卒月給371,500円(管理薬剤師手当含む)
- スギ :新卒月29万3000~月31万8000円(一律薬剤師手当等含む)
- クリエイトSD:新卒月給335,000円(薬剤師手当込)賞与年2回
- クスリのアオキ:新卒月345,000円(薬剤師手当込)賞与年2回
アオキ、ウエルシア、マツキヨ>>その他 って感じだな、初任給は。
調剤薬局や病院と比較して、ドラッグストアの平均年収は高いです。
なぜならば、初任給だけで30万円を超える上に、賞与が年に2回支給されるからです。薬剤師手当が月10万円前後支給される上に、残業代や夜勤手当も支給されます。
ドラッグストアの大手であるウエルシアHDに就職すれば、20代前半でも年収は500万円、30歳で594万円、40歳だと725万円も貰えます。最大手以外のドラッグストアに勤務しても、給与水準は同じレベルですね。
ドラッグストアに就職した場合は、20代前半でも年収390万円を下回る事はないです。
参考:ドラッグストアの年収は600万円|デメリットや向いている人は?
では、薬剤師でも年収300万円台が増えている
薬剤師でも「年収300万円台」は増えている?
- 病院薬剤師は、昇給額が少なく年収300万円台が多い
- 病院勤務だと、30代でも年収400万円以下は多い
- 調剤薬局勤務だと、20代前半の年収は350〜400万円
- 薬剤師が少ない地方薬局だと、年収400万円を超えない
- 薬剤師の二極化が進み、平均年収以下で働く人が増えてる
年収300万円以下で働く会社員の数は、年々増加傾向にあります。
薬剤師でも同様に、平均年収が390万円を下回る割合は増えています。全職業に共通している事ですが、自由社会で競争が激しくなると稼げる人と稼げない人で二局化するからです(参考:薬剤師の年収を上げる7つの方法|二極化で格差が進んでいる?)。
国家資格に守られている薬剤師でも、例外ではありません。医療費削減や赤字経営から脱却する病院が増えており、薬剤師業界でも競争が激しくなっていますね。
ただし、会社員と比較したら、薬剤師の給与はまだまだ高いですよね。
年収390万円を下回る薬剤師は、かなり限定されます。民間企業に勤める病院薬剤師、調剤薬局で20代前半の薬剤師、それから薬剤師の数が少ない地域で働く薬局勤務ですね。逆にいうと、薬剤師の資格があれば、年収400万円を下回る事は例外と言えますね。
経験が浅い20代でも、年収400万円以上を稼ぐのは難しくありません。
年収400万円未満から、簡単に年収を増やす方法は?
国家資格と調剤経験があるならば、薬剤師の給料を増やすのは難しくないですね。薬剤師の年収で年収が400万円を下回るのが例外だからです。1回の転職だけでも、調剤経験があれば50〜150万円増やせます。
方法1:総合病院や民間病院以外に転職する
- 国県立病院の公務員採用だと、年収は421〜939万円
- 公務員給与に準ずるため、経験年数毎に確実に昇給できる
- 民間病院に就職したら、年収は350〜450万円しか貰えない
- 国県立病院は定数があるため、こまめに募集案件を確認する
総合病院や民間病院で働くと、年収400万円を超えるのは難しいですね。
なぜならば、赤字経営の病院が多く、薬剤師に給与を支払う余裕がないからです。また、病院では医師や看護師がいないと経営が成り立たないため、薬剤師の待遇は決して良いものではありません。
そのため、初年度の年収が低く抑えられる上に昇給額も少ないです。看護師よりも、薬剤師の年収が少ない職場も少なくありません。
病院で経験を積みたいならば、国県立病院で公務員薬剤師を目指しましょう。公務員に準じた給与が得られるため、経験年数に応じて確実に昇給します。
病院薬剤師にこだわらないならば、調剤薬局やドラッグストアに転職した方が早いです。調剤経験があれば、それだけで年収は50〜150万円増えます。調剤薬局ならば、土日祝日がある上に定時退社もできる事も魅力です。
方法2:今よりも給料が高い調剤薬局に転職する
調剤薬局の転職サイトを開き、年収400万円以上で検索してみましょう。
調剤薬局の求人広告で、年収400万円以下で募集している案件はほぼないです。例えば、「リクナビ薬剤師」を利用して検索すれば、調剤薬局の求人は38,565件あります。この中で年収400万円を下回る薬局は片手で数えられる程度です。
求人を出している店舗は、薬剤師の数が足りていないため確実に就職できます。現在の収入が足りないと思う人は、現在住んでいる地域で今よりも高い薬局がないか探してみましょう。
方法3:薬剤師手当があるドラッグストアに転職する
- ドラッグストアだと、20代でも年収500万円以上稼げる
- 薬剤師手当月5〜10万円の他に、時間外手当や夜勤が加算される
- 店舗が増え続けているため、薬剤師の数はまだまだ足りていない
- 医薬品の規制緩和で、ドラッグストアの需要が増している
手取り早く額面給与を増やしたいならば、ドラッグストアに転職すべきです。
ドラッグストアの給料が高い理由は、薬剤師手当で月5〜10万円得られる上に、残業代や夜勤手当も支給されるからです。薬剤師経験がない新卒でも、年収500万円以上で初任給を掲示しているドラッグストアもあります。
薬剤部門や店舗の責任者に就任すると、年収は700万円以上貰えます。ただし、病院勤務よりは仕事内容は楽だけれども、薬局勤務よりもハードになりますね。
参考:ドラッグストアの年収は600万円|デメリットや向いている人は?
まとめ:年収390万円以下で働く薬剤師は?
- 病院薬剤師は、昇給額が少なく年収300万円台が多い
- 病院勤務だと、30代でも年収400万円以下は多い
- 調剤薬局勤務だと、20代前半の年収は350〜400万円
- 薬剤師が少ない地方薬局だと、年収400万円を超えない
- 薬剤師の二極化が進み、平均年収以下で働く人が増えてる
国家資格を取得しても、年収が390万円に届かない薬剤師もいますね。病院薬剤師は初任給が少ない上に昇給もなく、大半が年収390万円未満で働きます。調剤薬局に勤務した場合の初年度の年収は、350〜400万円です。そのため、調剤薬局でも最初の2〜3年は年収390万円以下で働きます。
薬学部を卒業した人の就職先は、調剤薬局や病院勤務が6割を占めます。
そのため、年収390万円以下で働く薬剤師は意外と、少なくない事がわかりますね。都市部では薬剤師の数は飽和し、医療費削減や診療報酬改定もあり、年収390万円の割合は今後も増えそうです。
ただし、一般の会社員と違い、年収300万台を抜け出すのは簡単です。
調剤経験さえあれば、1回の転職で年収は50〜150万円は増えます。390万円以下の方が例外的なので、働き方を変えるだけで収入は簡単に増えます。薬剤師ほど、働き方や収入をコントロールしやすい職業は他にありません。
転職サイトで検索すれば、求人の95%以上は年収400万円以上の案件です。
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