薬剤師は需要が高く、より条件が良い職場を求め転職する人が増えていますね。しかしながら、転職はメリットだけではなく、失敗して労働環境が悪い職場に行く薬剤師もいます。では、薬剤師の転職には、どのようなデメリットやリスクがあるのでしょうか?
- 「額面給与は高い職場に来たけど、人材不足で仕事量が増えた…」
- 「大手から中小薬局に転職したけど、危機管理能力が低くてストレス…」
- 「成功した同僚の姿を見て転職したが、人間関係が最悪な職場だった…」
転職活動すれば、必ずしも良い職場で働ける訳ではないですね。実は転職活動に失敗して、現職よりも悪い労働条件で働く薬剤師も少なくありません。
転職のデメリットとは、具体的には年収が減り、退職金や生涯賃金が減少する。額面給与は増えたように見えるけれども、サービス残業が増え実質賃金は減った。採用担当者は感じが良くても、入社した初日に人間関係が悪い事に気づく人もいます。
転職に失敗しないためには、現職で解決したい問題に優先順位を付けることです。1度の転職活動であれもこれも同時に解決しようとすると失敗します。また、人間関係を重視する人は、必ず職場見学に行きましょう。
ここでは薬剤師が転職するメリットやデメリットを紹介します。また、転職活動に失敗しないためのポイントも紹介します。転職に失敗する人が多いのも事実だが、需要が高い薬剤師は1度の転職で年収100万円アップする人もいます。
- 薬剤師の転職のメリットとデメリットは?
- 転職活動に失敗しないポイントは?
- 薬剤師が高収入で転職に成功する方法は?
薬剤師が転職したらデメリットが多かった…
転職活動にはメリットだけではなく、デメリットもありますね。転職に失敗して、後悔する薬剤師も実は少なくありません。
Aさん)給料は良いが人材不足で仕事量が増える…
30代後半女性。結婚を期に、他県へ引越し。調剤薬局から調剤薬局へ転職。管理薬剤師は若い男性。リーダーシップがなく、頼りない。問題改善にまわりのスタッフの協力も薄い。給与には不満はなかったが、仕事がスムーズに進まないため残業も多い。離職者が多く人出不足のため、妊娠しても中々辞めさせてもらえない。産休を理由にやっと解放されたが、気力、体力ともに消耗してぐったり。
必ずしも現職よりも良い職場へ転職できるとは限りません。産休や育休を取れる職場に転職したつもりでも、実際には希望通りになるとは限りません。採用者の言葉だけを信用するのではなく、職場環境をして見極める事も必要です。
Bさん)中小薬局は思ったよりもルーズだった…
30代女性。いろいろな調剤薬局で、アルバイト、パート、社員と経験してきました。以前いた調剤薬局はクリニック閉鎖に伴い、大手調剤薬局チェーンに吸収されました。自分も提示された年収が良かったので、その会社に就職しました。
はじめはわりとスタッフの多い店舗なので良かったのですが、その後違う小さい店舗に配属になり、一人薬剤師や、近くの店舗のヘルプなどに行かなければならなかったり、というのが落ち着きませんでした。その時、アルバイトでお世話になっていた漢方メインの薬局に声をかけられてラッキー!と思い、転職しました。新店舗の立ち上げや管理薬剤師も任されたりして、いい経験にはなりましたが。。。
それまで勤めていた大手調剤薬局と比べると、小規模の薬局は勤務条件や危機管理など、いろいろルーズな気がしました。上司に問題提起をしても「今まで大丈夫だったから」と、なかなか響きません。当時は細かいなと感じていましたが、大手は規則や教育制度がしっかりしていて、それを経験してしまったためか、今の薬局のルーズさに段々と耐えられなくなってきました。
自分には、やっぱりキチンとルールがある大手チェーンの方が合っている気がして、結局また転職することにしました…
年功序列で給料が低い大手薬局から、給料が高い中小薬局へ転職する薬剤師は多いです。しかしながら、中小薬局は企業文化が大手薬局と大きく異なりますね。中小薬局のデメリットを知った上で転職先を決めないと、就職してから後悔しますよね。
Cさん)人間関係が悪い事に転職してから知る…
ある中小調剤薬局に勤めていましたが、周りの同僚が何人も転職する姿を見て、自分も転職して今まで以上にいい環境を手に入れようと考えてしまいました。最寄駅で今よりも待遇のいい大手調剤薬局を目にしたので、深く考えずに面接を受けにいくと採用担当も親身に話を聞いてくれ、その場で転職を決断しました。
驚くほど人間関係がギスギスしている事を知ったのは、転職初日。管理薬剤師は事務員さんに横柄な態度を取り、同僚は仕事の愚痴や他人の悪口ばかり・・・。家からは近い職場でしたが、サービス残業が想像以上に多く、帰宅時間は以前より遅いくらいです。転職して3ヶ月ですが、次の転職を検討しています。
薬剤師が転職する1番の理由は、実は人間関係による不満ですね。年収や労働時間よりも人間関係を重視する人は、入社前に必ず職場見学にいきましょう。人間関係が良い職場は、必然的に労働環境が良い職場も多いですね。
では、私たち薬剤師が転職すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
薬剤師が転職するメリットとデメリットは?
薬剤師が転職する上でのメリットとデメリットを紹介します。
その1:薬剤師が転職する「メリット」は?
- 入社する前と入社した後で、条件が全然違う事もある
- 転職に成功すれば、短期間で大幅に年収を増やせる
- 労働時間が少なく、休みが取れる職場で働ける
- 調剤薬局やドラッグストア、病院など、別の業種に就職できる
- 社内研修や教育体制が整った職場で働くことができる
- 時短労働や育休など、女性薬剤師が働きやすい職場で働ける
- 転職が多い大手ではなく、自宅近くなど希望勤務地で働ける
- 職場の嫌な人間関係をリセットし、ゼロから始められる
転職する最大のメリットは、現職にある不満を劇的に解消するためです。
例えば、「給料が平均より低い」「労働時間が長すぎる」「人間関係が悪い」「有給や育休を取得できない」などの問題を解決できます。国家資格を保有する薬剤師は需要が高く、1回の転職活動で100万円以上年収を増やす人も珍しくないですね。
他にも、労働時間が長く給料が低い病院から、調剤薬局やドラッグストアに業種を変える。結婚や育児を機に、女性に理解がある時短労働の職場に転職する。また、大手調剤薬局から中小に転職して、全国転勤から解放され自宅近くで働くメリットもあります。
さらには、職場のドロドロした人間関係をリセットする事も可能です。しかしながら、薬剤師の転職にはデメリットもあるので注意が必要ですね。
その2:薬剤師が転職する「デメリット」は?
- 転職活動に貴重な時間を費やすも、満足のいく結果が出ない
- 退職金の積立期間が減り、生涯賃金が減少する可能性がある
- 額面給与は高かったけど、サービス残業で労働時間が長い
- 中小薬局に転職したら、危機管理能力が低くストレスを感じる
- 採用担当者は良くても、入社した初日に人間関係が最悪だと知る
- 労働環境が劇的に変わり、仕事内容や人間関係にストレス
- 転職に失敗すると、短期間で転職回数が増え不利になる
転職活動すれば、必ずしも転職に成功できる訳ではありません。
薬剤師に限らず、転職では成功例ばかりが語られる事が多いですよね。しかしながら、転職した事で逆にデメリットになる人も多いです。
例えば、貴重な時間を費やして転職するも、逆に年収や生涯賃金が減ってしまう。掲示された額面給与は良くても、サービス残業で労働時間が長く時間給は悪化した。入社した初日に、人間関係が最悪だと知る事も多いです。
では、私たち薬剤師が転職活動に失敗しないためには、どうすれば良いのでしょうか?
その3:転職活動に「失敗しない」ポイントは?
- 漠然とした不満ではなく、実現したい事が具体的に挙げられる
- 1度の転職で全て解決するのではなく、優先順位がはっきりしてる
- 転職はメリットだけではなく、リスクがある事を理解している
- 自分の要望だけを要求するのではなく、妥協点を抑えている
- 採用面接に進みながら、相手の要望に合わせて柔軟に対応できる
- 言葉だけを信用するのではなく、職場見学で真意を確かめる
転職活動に失敗する人は、解決したい不満を明確にできない薬剤師ですね。
また、解決したい事に優先順位を付けられず、1度に実現しようとする人も失敗します。例えば、労働時間を劇的に減らした上で、年収増を狙うのは賢い選択肢ではないですね。一般的にはプライベートを犠牲にすれば年収は増えるし、私生活を優先すれば給料は減ります。
「年収」「労働時間」「人間関係」「勤務地」など、優先順位を持ってエージェントに提案する事が大切ですえん。また、転職に成功する人は、相手の話をよく聞きながら妥協点を抑え柔軟に思考を変えられる人です。
転職活動はメリットだけではなく、リスクやデメリットがある事も理解しましょう。では、私たちが高収入で転職するには、具体的には何をすれば良いのでしょうか?
薬剤師が高収入で転職に成功する方法は?
薬剤師の転職に成功する方法を紹介します。
方法1:年収が高い大手ドラッグストアで働く
ドラッグストア | 年収 | 初年度年収 | 福利厚生 |
---|---|---|---|
イオン薬局 | 〜800万円 | 年430万円~550万円、賞与120万円 | ◎ |
ウエルシア | 〜700万円 | 年517万円 | ○ |
マツモトキヨシ | 〜700万円 | 年4,585,910~5,055,000円 | ◎ |
ツルハドラッグ | 〜600万円 | 月286,640~321,640円(薬剤師手当込)賞与年2回 | ○ |
クオール薬局 | 〜600万円 | 月321,000円~381,000円 | ◎ |
スギ薬局 | 〜600万円 | 新卒月29万3000~月31万8000円 | ○ |
年収を増やす1番簡単な方法は、大手ドラッグスアに就職する事です。
大手ドラッグストアは、薬剤師手当月8〜12万円支給される上に、時間外や夜勤割増賃金が支払われます。そのため、経験が浅い薬剤師でも年収500万円を稼げます。業界大手のウエルシアに就職すると、初年度でも年収は517万円もありますね。
大手ドラッグストアは、賞与額を公開してるため安心して入社できます。
ドラッグストアは、店舗数が急拡大してるため常に薬剤師が足りてません。そのため、求人募集に応募すれば誰でも面接に合格できます。
ただし、ドラッグストアのデメリットは、拘束時間が長く仕事が忙しい事です。また、初年度から給料が高い分昇給額も限られます。ドラッグストアで順調に昇給するには、管理薬剤師、店舗責任者、エリアマネージャーへと昇進する必要があります。
参考:ドラッグストアの年収は600万円|デメリットや向いている人は?
方法2:薬剤師の数が少ない地域で働く
- 薬剤師が少ない地方ほど、薬剤師の給料は高い
- 高齢化社会で老人が増え、地方ほど薬剤師の需要は高い
- 東京は平均年収620万に対して、薬剤師は570万だけ
- 奈良県の平均年収は777万円、静岡県は684万円もある
- 同じ県内でも都市を離れるだけで、100〜200万円も変わる
薬剤師が少ない地域で働く方が、月給や賞与額は高いですね。薬局によっては、別途地域手当を支給してくれる職場もあります。
薬剤師が少ない地域ほど、薬剤師の待遇は厚いです。なぜならば、薬剤師が辞めたら運営できないため、給与や福利厚生を手厚くするしかないからです。薬剤師の数が多い都市では、代わりの人材がすぐに見つかりますね。そうなると、薬剤師の労働条件も悪くなります。
薬剤師が少ない地域では、年収800万円以上で募集する求人もあります。また、同じ県内でも都市部を少し離れるだけでも違います。例えば、福岡市内の調剤薬局では年収500万円、市内から少し外れた地域に行くと年収800万円で募集してます。
住む場所を変えるだけで、簡単に労働条件や年収を増やせるのは薬剤師の特権です。薬剤師が余っている都市部よりも、高齢化が進む地域社会に貢献した方が私たちの給与も増えます。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
方法3:転職サイトやエージェントを利用する
- 薬事師専門の転職プロから、客観的なアドバイスを得られる
- 第三者に相談する事で、将来のキャリアを明確にできる
- 相談を聞いて貰った上で、具体的な求人を掲示してくれる
- 勤務地や条件に合わせて、求人をスクリーニングしてくれる
- 最適な職場を選ぶ事で、年収100〜200万円増やせる
薬剤師専門の大手転職サイトを利用する事で、質が高い優良案件を紹介してくれます。
転職エージェントの最大のメリットは、希望条件や適性をヒアリングした上で、求人をスクリーニングしてくれる事です。「年収500万円以上の求人」「年間賞与が100万円以上の職場」「残業がない調剤薬局」など、条件に応じて紹介してくれます。
面談日や給与交渉もしてくれるため、自分で求人を探すよりも楽に転職できます。
まとめ:薬剤師が転職するデメリットは?
- 転職活動に貴重な時間を費やすも、満足のいく結果が出ない
- 退職金の積立期間が減り、生涯賃金が減少する可能性がある
- 額面給与は高かったけど、サービス残業で労働時間が長い
- 中小薬局に転職したら、危機管理能力が低くストレスを感じる
- 採用担当者は良くても、入社した初日に人間関係が最悪だと知る
- 労働環境が劇的に変わり、仕事内容や人間関係にストレス
- 転職に失敗すると、短期間で転職回数が増え不利になる
転職活動すれば、必ずしも良い職場で働ける訳ではないですね。実は転職活動に失敗して、現職よりも悪い労働条件で働く薬剤師も少なくありません。
転職のデメリットとは、具体的には年収が減り、退職金や生涯賃金が減少する。額面給与は増えたように見えるけれども、サービス残業が増え実質賃金は減った。採用担当者は感じが良くても、入社した初日に人間関係が悪い事に気づく人もいます。
転職に失敗しないためには、現職で解決したい問題に優先順位を付けることです。1度の転職活動であれもこれも同時に解決しようとすると失敗します。また、人間関係を重視する人は、必ず職場見学に行きましょう。職場見学に行けば、失敗する可能性を大きく減らせますね。
失敗する人が多いのも事実だが、1度の転職で年収100万円アップする人もいます。
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