薬剤師が転職する方法は大きく分けて3つありますね。近所にある調剤薬局やドラッグストアに直接応募するか、もしくは転職サイトやハローワークを利用する方法です。公共機関のハローワークでも、希望する条件の薬局やドラッグストアに就職できるのでしょうか?
- 「ハローワークと転職サイトは、具体的には何が違うのか…」
- 「転職サイトの担当者はうざいから、ハローワークを利用したい…」
- 「ハローワークを利用しても、高単価の求人に就職できるのか…」
ハローワークとは、日本政府が運営する公共の職業紹介所の事ですね。
ハローワークの特徴は、全国に544箇所も拠点がある事です。そのため、民間の転職サイトが弱い地方の青森県でも、ハローワークなら9拠点もあります。どこの地域に住んでいても、ハローワークを利用できるのは強みですね。また、採用コストゼロで利用できるため、求人数は全業種を含めて518万件もありますね。
しかしながら、私たち薬剤師は、ハローワークを利用すべきではありません。
なぜならば、ハローワークの相談員は、薬剤師業界に関する専門知識がないからです。事務や総務の求人に就職するなら良いが、国家資格保有者の薬剤師には向いていません。また、採用コストゼロで利用できるため、ブラック薬局や零細企業が多く紛れてる点にも注意が必要です。
私も過去にハローワークの求人紹介を利用した事があります。民間サイトの拠点がない地域でも、薬剤師求人が多いのは大きなメリットです。ただし、全体的に求人の質が高くない点に注意が必要です。また、転職後に求人票の条件が嘘だと分かり、不満を嘆く人も実際にします。
ここでは、ハローワークと転職サイトの違いを紹介します。また、ハロワークの求人にブラックの割合が多い理由も紹介します。ハロワークを利用すべき薬剤師は、住んでいる地域が転職サイトの範囲外の時だけです。民間の転職サイトを利用した方が好条件で就職できます。
- 薬剤師専門の転職サイトとハローワークの違いは?
- ハローワーク求人に、ブラックが多い理由は?
- 薬剤師に人気が高い、お勧めの転職サイト3社は?
記事の内容を簡単に知りたい
薬剤師専門の転職サイトとハローワークの違いは?
ハローワークと転職サイトの違いを紹介します。
その1:ハローワークと転職サイトの「比較結果」は?
項目 | ハローワーク | 転職サイト(リクナビ薬剤師) |
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求人数 | 518万9,000件(全求人) | 56,002件(薬剤師のみ) |
求人質 | ブラック薬局や零細企業も含まれる | 全体的に求人の質は高い |
拠点 | 全国に544箇所ある | 全校に5拠点ある |
利用者 | 30代〜50代の失業者が多い | 薬剤師免許がある20〜40代 |
エージェント | 就職担当の公務員が対応する | 薬剤師経験があるキャリアコンサルタント |
サポート内容 |
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メリット |
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デメリット |
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転職サイトにないハローワークの利点は、全国各地に拠点がある事です。
利益重視の転職サイトは、求職者が少ない田舎に営業所や拠点を作れません。しかしながら、失業者向けの就職支援である公共機関のハローワークは、全国に544拠点もあります。また、採用コストが掛からないハローワークは、全業種で518万件も求人があります。
しかしながら、薬剤師にはハローワークは向いていません。
なぜならば、ハローワークの相談員は、薬剤師業界に関する専門知識がないからです。そのため、事務や総務の求人に応募するなら良いが、完全免許制である薬剤師には向いてないですね。ハローワークに適してる薬剤師は、村や町役場に住んでいて、転職サイトの求人がない時ですね。
人口が極端に少ない地域ほど、ハローワークにも求人があるので安心できます。民間サイトが利用できる範囲外では、ハローワーク以外で薬剤師求人を見つけるのが難しいですね。
ただし、ハローワークはブラック企業も多いため注意が必要です。
その2:ハローワークで「ブラック薬局」が多い理由は?
- 採用コストが掛からず、資金がない零細企業も利用できる
- 政府からの補助金目的に、求人掲載するブラック企業もある
- セーフティネットが目的で、民間企業をチェックする機能がない
ハローワークで扱う求人は、ブラック比率が高いと言われています。
なぜならば、採用コストが掛からないため、資金力がないブラックや零細企業も利用できるからです。また、政府からの補助金目的に、求人掲載する企業もあります。また、公共機関であるハローワークは、失業者向けの転職支援です。そのため、民間企業をチェックする機能は待ちません。
月収30万円で掲載されても、入社後は手取り20万円、残業代がない企業は少なくありません。
民間の転職サイトを利用する場合、掲載企業は90〜120万円の採用コストが発生します。この採用コストを支払う能力の有無で、優良企業とブラックが線引きされますね。
特に、専門職である職種ほど民間企業を利用した方が良いですね。専門職が強い職種ほど、1回の転職で大幅に年収を増やせるからです。完全免許制度である薬剤師は、転職サイト次第で100〜200万円の年収増に成功します。
その3:転職サイトを利用して「100万円」アップ?
前は病院に勤めていましたが、昇給も殆どなく残業代も出ないので引っ越しをきっかけに転職活動を始めました。条件は大手で産休育休の取れる職場です。年収は始めは以前よりは下がらなければ良いかな位に思っていました。登録するとコンサルタントから電話が来て自分の条件を伝え幾つかの薬局を紹介して貰いました。病院も幾つか紹介して貰いましたが、今回は薬局をと考えていたのでお断りしました。
結局面接をしたのが4つの薬局です。一つは大手の調剤併設のドラッグストアーでした。全ての面接で内定を貰いました。そのうち2つは以前の年収より100万高く、驚きました。年収についてはやはり気を使ってしまい自分からは言い出せなかったですが、コンサルタントの方が向こうと最低これだけは欲しいと交渉をしてくれました。
面接なども同行してくれ、此方からあまり突っ込みにくい有給や産休育休のことも聞いてくれました。年収は流石に私の前ではすることなくメ―ルや電話でのやり取りをしてくれていたと思います。結局私が選んだのは大手の調剤併設のドラッグストアーです。残業代は申請などしなくても分単位で勝手に付くし、年収も100万は上がりました。その分大手なので応援に行かされたりハ―ドではありましたが、一年で自分の目標としていた分は稼げたので成功であると思います。
転職サイトを利用する最大のメリットは、大幅に年収を増やせることですね。
良質な転職サイトと担当者に当たると、必ず現職よりも条件が良い求人を紹介してくれます。特に完全免許制で供給が限られる薬剤師は、好条件で転職する人が多いです。職場を変えるだけで残業がなくなり、年収100〜200万円増やす人も多いです。
薬剤師専門の転職サイトは、知名度が高く求人数が多いほど成功する確率が高いです。では、私たち薬剤師は、どのような基準で転職サイトを選べば良いのでしょうか?
薬剤師専門の転職サイトは「18社」もある?
エージェント | 規模 | 派遣 | 地方 | 高額 | ママ | 特徴やデメリット |
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リクナビ薬剤師 | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ | 『リクナビ薬剤師』は、幅広い20〜40代が利用する。優良大手から個人経営まで求人が豊富で、大幅な年収アップに成功できる。
おすすめ度:★★★★★ |
マイナビ薬剤師 | ◎ | × | ◎ | 『マイナビ薬剤師』は、ヒアリングとマッチング精度が高く20代の転職に強い。全国に15拠点展開し、地方の転職に強い。
おすすめ度:★★★★☆ |
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薬キャリ | ◎ | △ | △ | ◎ | 『薬キャリ』は、スピード重視で最短1ヶ月で転職できる。就労3ヶ月で育休取得など、家庭と両立したい女性薬剤師向け。
おすすめ度:★★★★☆ |
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ファルマスタッフ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 『ファルマスタッフ』は、社内研修や教育制度が充実し派遣薬剤師に強み。高単価の派遣・パート求人を扱い、全国に12拠点持つ。
おすすめ度:★★★★☆ |
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ファルメイト | △ | ◎ | △ | ◎ | 『ファルメイト』は、最低時給2800円を保証する派遣専門サイト。ただし、求人は関西と関東に集中している。
おすすめ度:★★★★☆ |
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お仕事ラボ | △ | △ | △ | △ | 『お仕事ラボ』は、交通費3万円、会員登録1万円、お祝い金10万支給してくれる。ただし、知名度や実績が少なく、失敗するリスクもある。
おすすめ度:★★★☆☆ |
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ヤクジョブ | ◎ | ◎ | △ | 『ヤクジョブ』は、全国に10拠点あり求人数が7.3万件、正社員より派遣に強み。短期案件に強く、お友達紹介で6万円支給される。
おすすめ度:★★☆☆☆ |
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ファーネットキャリア | × | △ | △ | △ | 『ファーネットキャリア』は、定期的に高額案件をメールで通知してくれる。しかし、利用者が少なく口コミや体験談が少ない。
おすすめ度:★★☆☆☆ |
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ファゲット | × | △ | △ | △ | 『ファゲット』は、最大20万円のお祝い金を貰える。しかし、全体的にコンサルタントの質は高くない。
おすすめ度:★★☆☆☆ |
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薬剤師転職ドットコム | △ | × | △ | △ | △ | 『薬剤師転職ドットコム』は、レスポンスが早く安心できる。しかし、都合が悪い情報を開示しないなど、担当者の質は高くない。
おすすめ度:★☆☆☆☆ |
ジョブデポ薬剤師 | △ | × | △ | △ | △ | 『ジョブデポ 』は、最大40万円のお祝い金を貰える。ただし、全体的に求人が少なく、希望条件を満たすのが難しい。
おすすめ度:★☆☆☆☆ |
ヤクマッチ | × | △ | △ | △ | 『ヤクマッチ 』は、2015年設立の新しい転職サイト。しかし、利用者が少なく口コミや体験談が少ない。
おすすめ度:★☆☆☆☆ |
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アプロドットコム | ◎ | △ | 『アプロドットコム』は、薬剤師派遣専門のサイト。単発派遣や紹介予定派遣に強く、高額案件も多く扱う。また、薬剤師の保険料を半額負担してくれる。
おすすめ度:★★☆☆☆ |
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ファーマキャリア | × | △ | 『ファーマキャリア』は、ヒアリング重視でオーダーメイド方式の転職サイト。担当者は強引だが、最短1週間で転職できる。
おすすめ度:★★☆☆☆ |
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薬剤師WORKER | × | ◎ | 『薬剤師WORKER』は、40〜60代やシニア薬剤師向け。ただし、2014年創業で実績が乏しく、口コミや体験談は少ない。
おすすめ度:★☆☆☆☆ |
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ヤクジョ | △ | × | △ | △ | 『ヤクジョ 』は、マッチング精度が高く平均紹介求人数は4.38件と少ない。しかし、押しが強く高圧的な担当者もいる。
おすすめ度:★☆☆☆☆ |
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薬剤師求人.com | ◎ | × | △ | △ | 『薬剤師求人.com』は、人材紹介会社を紹介する転職サイト。複数の転職サイトを包括し、求人数は7万件以上ある。自社にコンサルタントはいない。
おすすめ度:★☆☆☆☆ |
薬剤師専門の転職サイトは100社以上あり、主要サイトだけでも18種類もあります。自分に最適な専門サイトを選択するには、次の基準で選ぶと良いですね。
- 「知名度や利用者多く、豊富な求人数を揃えているのか?」
- 「東京や大阪だけではなく、給与が高い地方都市もサポートしてるか?」
- 「求人の質が高く、現職よりも年収アップの転職ができるか?」
- 「女性が6割を占める業界で、産休や育休制度は充実してるか?」
以上の観点で比較すると、候補となる転職サイトは5社程度しかありません。
知名度が高く豊富な求人があるのは、「リクナビ薬剤師」と「マイナビ薬剤師」です。関東や関西の地方都市に就職したい人は、「マイナビ薬剤師」と「ファルマスタッフ」が向いています。また、年収600万円以上で良質な高額案件ならば、「リクナビ薬剤師」が人気です。
以上を踏まえた上で、薬剤師に人気が高い3社を紹介します。
【おすすめ3社】薬剤師に人気が高い転職サイトは?
薬剤師に人気が高いお勧めの3社を紹介します。
1位:大幅に年収を増やせる「リクナビ薬剤師」
求人数 |
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デメリット |
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特徴 |
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向いてる薬剤師 |
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事業所 |
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「リクナビ薬剤師」の最大の特徴は、業界最大手の転職サイトである事です。そのため、大手優良から中小企業まで全国に幅広い求人を扱い、大幅に年収を増やす薬剤師が多いです。市民病院からドラッグストアに転職し、1回の転職で年収320→600万円に増やした薬剤師もいます。
しかしながら、リクナビ薬剤師にはデメリットもありますね。
ひとつは頻繁に電話やメールがあり、コンサルタントの押しが強い事です。また、求人量が多いのはメリットだが、希望条件に合わない求人を紹介される事もあります。そのため、適切な求人だけを紹介してもらい、自分のペースでゆっくりと転職したい人には向きません。
参考:リクナビ薬剤師の評価と口コミ|コンサルタントの押しが強い?
2位:育児を両立したいママ薬剤師に強い「薬キャリ」
求人数 |
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デメリット |
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特徴 |
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向いてる薬剤師 |
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事業所 |
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公式サイト | 薬キャリ |
「薬キャリ」の最大の特徴は、レスポンスが早く最短1ヶ月で転職できる事です。また、ママ薬剤師向けの求人が多く、仕事と家庭を両立したい女性薬剤師に向いています。派遣が育休休暇を取るのは1年以上の就労が必要だが、薬キャリなら就労3ヶ月で育休を取得でき9万円も支給されます。
ただし、薬キャリにもデメリットがありますね。
ひとつは、コンサルタントの面談は基本行わず、電話やメール対応しかない事です。そのため、担当者と意思を共有し、じっくり求人を見極めながら転職したい人には向いてません。また、拠点は東京や大阪にしかなく、サポートが手薄な地方だと質が悪い求人を紹介される事もあります。
参考:薬キャリの評価と口コミ|ママ薬剤師に強く最短1ヶ月で転職
3位:交通費3万&お祝い金10万円の「お仕事ラボ」
求人数 |
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デメリット |
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特徴 |
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向いている薬剤師 |
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事業所 |
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公式サイト | 【薬剤師の派遣・転職 お仕事ラボ】 |
「お仕事ラボ」の最大の特徴は、面接に行くだけで一律3万円の交通費を支給してくれる事です。さらには、会員登録で1万円、正社員のお祝い金で10万円も支給されます。2015年に創業し実績が乏しいお仕事ラボは、支援金を給付する事で大手転職サイトに対抗していますね。
しかしながら、お仕事ラボにもデメリットがあります。
ひとつは、全体的に求人数が少なく、リクナビ薬剤師の5分の1以下しかない事です。また、お仕事ラボは全国求人を扱うが、実際に拠点があるのは東京だけです。そのため、地方は良質な案件が少ない事には注意が必要です。また、交通費やお祝い金は予告なく終了するので注意が必要です。
過去の傾向を見ると、再開や終了を繰り返し翌月に突然終了する事もあります。
参考:お仕事ラボの評価と口コミ|実績に乏しいが交通費3万円を支給
しかしながら、転職サイトの特徴を知っても、選ぶのは難しいですよね。ここでは、目的別に派遣会社の選び方も紹介します。転職サイトを1つに決められない人は、複数のサイトを選択するのもありです。複数登録した方が、ブラック求人を避けるリスクヘッジにもなります。
まとめ:ハローワークと転職サイトの違いは?
- 採用コストがゼロなので、零細企業やブラックも利用する
- 就職相談員はただの公務員で、薬剤師に関する知識がない
- 薬剤師の求人もあるが、年収や時給は転職サイトと比較して低い
- 面接日程や給与交渉など、全て自分で行う
ハローワークの特徴は、全国に544箇所も拠点がある事です。そのため、民間の転職サイトが弱い地方の青森県でも、ハローワークなら9拠点もあります。どこの地域に住んでいても、ハローワークを利用できるのは強みですね。また、採用コストゼロで利用できるため、求人数は全業種を含めて518万件もありますね。
しかしながら、私たち薬剤師は、ハローワークを利用すべきではありません。
なぜならば、ハローワークの相談員は、薬剤師業界に関する専門知識がないからです。事務や総務の求人に就職するなら良いが、国家資格保有者の薬剤師には向いていません。また、採用コストゼロで利用できるため、ブラック薬局や零細企業が多く紛れてる点にも注意が必要です。
私も過去にハローワークの求人紹介を利用した事があります。民間サイトの拠点がない地域でも、薬剤師求人が多いのは大きなメリットです。ただし、全体的に求人の質が高くない点に注意が必要です。また、転職後に求人票の条件が嘘だと分かり、不満を嘆く人も実際にします。
ハロワークを利用すべき薬剤師は、住んでいる地域が転職サイトの範囲外の時だけです。民間の転職サイトを利用した方が好条件で就職できます。
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