紹介予定派遣とは、直接雇用が前提で行われる派遣契約です。3〜6ヶ月後に直接雇用される契約は、双方にとってメリットが高い働き方だと言われています。しかしながら、私たち薬剤師にとっても、本当にメリットが高い働き方なのでしょうか?
- 「紹介予定派遣で、本当に正社員になれるか不安がある…」
- 「6ヶ月働いた後に、希望すれば直接雇用で働けるって良いですよね…」
- 「薬剤師派遣は病院に出向できないけど、紹介予定なら派遣できる…」
結論から伝えると、薬剤師から見たら紹介予定派遣の利点は薄いです。
なぜならば、免許制度で供給が限られる薬剤師は、私たちが希望すればいつでも正社員になれるからです。求人数が少ない上に、パート並みに時給が低い紹介予定で働く必要性は薄いです。派遣を選ぶ薬剤師は、時短労働ができる上に高時給目的に選びます。
派遣に強い「ファルマスタッフ」でも、紹介予定派遣の求人数は1563件(2%)しかありません。また、時給も1800〜2200円とパート並みに低いです。紹介予定派遣の数が少ない理由は、それだけ薬剤師とは相性が良くない事の証拠です。
また、紹介予定派遣は必ずしも正社員登用される訳でない事も注意が必要です。
ここでは、通常の派遣と比較した紹介予定派遣のメリットとデメリットを紹介します。また、企業側が紹介予定派遣を利用する理由も紹介します。正社員として働きたいならば、わざわざ紹介予定派遣を利用する必要性はないですね。
- 派遣と比較した紹介予定派遣のメリットとデメリットは?
- 企業側は、なぜ紹介予定派遣を利用するのか?
- 薬剤師の派遣・パートで高時給の求人の探し方は?
記事の内容を簡単に知りたい
紹介予定派遣を利用したら、本当に正社員になれるのか…
紹介予定派遣を利用したら、6ヶ月後に本当に正社員になれるのでしょうか?
Aさん)紹介予定派遣で本当に正社員になれるのか不安…
公的機関での紹介予定派遣について。来月から公的医療機関に紹介予定派遣として、正社員登用前提で勤務することが決まりました。派遣元の会社からは勤務態度などを確認する意味で試用期間の代替としているとのことでした。
紹介予定派遣なので不安があるのですが、経験者のかた、今までに正社員になれなかった方はいらっしゃいますか?また、公的機関では正社員になれる可能性は高いのでしょうか?
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師として公的医療機関に紹介予定派遣するならば、直接雇用される確率は高いです。ただし、直接雇用といっても、必ずしも正社員登用とは限りません。パート採用や契約社員、臨時採用として直接雇用される場合も含みます。
不安を感じるならば、派遣会社に過去の数値を出して貰いましょう。どれくらいの確率で、正社員登用されるか分かりますね。
Bさん)6ヶ月働いた後に正社員を選べるって良いですね…
紹介予定派遣というのにチャレンジしようかと考えてます。20代後半、正社員経験がなく特別使える資格もないのて最初から正社員狙いはきついかな、と考えていたところ紹介予定派遣というのを知りました。
最長で6ヶ月派遣として働いてから、正社員になるかならないか双方の同意で決まると聞いて、6ヶ月で自分に合うかどうか考えながら働けるなんていいなぁ、と。正社員狙いで就活するか、紹介予定派遣というのにチャレンジしてみるか、経験ある方からのアドバイスお願いします。
参考:Yahoo知恵袋
紹介予定派遣にはデメリットも少なくありません。6ヶ月間働いた後に判断されるため、通常の書類選考や面接よりも採用ハードルが高くなるとも考えられます。また、6ヶ月間働けるとも限らず、雇用主側が直接雇用しないと判断した段階で終了です。
さらに、紹介予定派遣は正社員採用するときに、想定年収の3〜4割を紹介会社に支払います。そのため、6ヶ月経つ前にパートで人材不足を解消したら、直接雇用する必要はないですね。実は、免許制でいつでも正社員になれる薬剤師は、紹介予定派遣を利用するメリットは少ないです。
Cさん)紹介予定派遣なら病院にも派遣できる…
労働者派遣の派遣禁止業務の例外に紹介予定派遣をする場合における医療関連業務がありますが、この医療関連業務とは医業も含むんですよね?つまり、看護師等としてだけではなく、医者として派遣する場合でもOKということですよね?
同じ例外でも僻地で行う医業というのがありますが、これは医業のみを指すのですよね?看護師等の業務は含まずに。この理解でよろしいですか?
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師などの医療従事者が、病院やクリニックへ派遣することは禁じられています。しかしながら、紹介予定として派遣する場合はOKとされていますね。病院薬剤師で正社員として働きたいならば、紹介予定派遣はひとつの選択肢になります。
病院における薬剤師の業務内容や人間関係を見極めた上で、正社員になれますね。
派遣と比較した紹介予定のメリットとデメリットは?
紹介予定派遣の仕組みや紹介料を紹介します。また、派遣ではなくて紹介予定派遣を利用するメリットは何があるのでしょうか?
その1:紹介予定派遣の仕組みと「紹介料」は?
公式サイト:薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
紹介予定派遣とは、契約終了後に直接雇用に切り替えることを前提にした派遣契約です。最長で6ヶ月間勤務した後に、本人と派遣先の双方の合意があれば直接雇用に切り替わります。どちらかが同意しなければ、直接雇用に至らず次の派遣先に出向します。
企業が直接雇用する際には、紹介手数料が発生します。
派遣先企業は、正社員に登用する時に30〜40%の手数料を紹介会社に支払います。年収500万円で正社員登用したら、150〜200万円を支払う必要があります。また、派遣で働いている時にも、通常の派遣と同様に3割のマージンが発生します。
それでは、紹介予定派遣のメリットとデメリットは何があるでしょうか?
その2:派遣と比較した紹介予定の「メリット」は?
働き方 | メリット | デメリット |
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派遣 |
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紹介予定 |
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紹介予定を利用する最大の利点は、店舗や人間関係を見極められる事です。また、通常の派遣が出向できない病院に派遣できる事も、紹介予定派遣のメリットです。
しかしながら、デメリットも多いため注意が必要ですね。
紹介予定派遣は、3〜6ヶ月働いたからと必ずしも直接雇用される訳ではないです。また、「直接雇用=正社員」とも限りません。直接契約の中には、パートや契約社員も含まれます。
また、紹介予定派遣は求人が少ない上に、時給が低い事もデメリットです。派遣に強い「ファルマスタッフ」でも、紹介予定派遣の求人数は1563件(2%)だけです。時給も2200円前後とパートと対して変わりません。
現状を見ると、試用期間として都合よく使われている可能性もあります。
その3:企業側は「なぜ」紹介予定を利用するのか?
- 表面上は、お互いの採用のズレを防ぐために活用される
- 企業側は試用期間の側面が強く、薬剤師が不利益を被ることもある
- 人材不足を解消して、直接雇用の社員やパートを防ぐため
- 派遣社員に支払う高額な時給を、なるべく低く抑えるため
- いつでも正社員になれる薬剤師は、紹介予定派遣のメリットが少ない
紹介予定派遣は、採用のズレを防ぐ事を目的にしています。
しかしながら、現状を見ると試用期間として活用されてる面もあります。なぜならば、紹介予定派遣は通常の派遣よりも、2〜3割ほど低い時給で派遣薬剤師を使えるからです。直接契約したい人材ならば、6ヶ月見極めた上で判断すれば良いですね。
実は、紹介予定派遣は薬剤師から見てメリットは少ないです。
薬剤師から見たら、紹介予定派遣は求人数が少なく、通常の派遣よりも時給が低いからです。人材不足の現状では、薬剤師が希望すればいつでも正社員になれます。あえて、私たち薬剤師が紹介予定派遣を利用する必要性はないですね。
免許制度で派遣の時給が高い薬剤師は、紹介予定派遣を利用するメリットが少ないです。紹介予定派遣の求人が増えない理由も、それだけ需要がない証拠ですね。派遣を目指す薬剤師は、時短労働と高時給を目的に派遣で働きます。
では高時給の派遣やパート求人を探すには、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
薬剤師の派遣・パートで高時給の求人の探し方は?
私たち薬剤師が、好条件で派遣やパートで働くにはどうすれば良いのでしょうか。
方法1:福利厚生や研修が充実してる派遣会社を選ぶ
派遣会社 | 求人数 | 有給条件 | 健康保険 | 教育制度 |
---|---|---|---|---|
薬キャリ | 57,673件 | 3ヶ月 | 21,250円 |
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ファルマスタッフ | 60,737件 | 1年以上 | 24,250円 |
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ヤクジョブ | 95,599件 | 1年以上 | 24,000円 |
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派遣やパートで働く際には、派遣会社選びが重要になります。
派遣会社を選ぶ際には、福利厚生や教育体制がしっかりしている会社を選ぶべきです。例えば、有給を付与される条件は、薬キャリだと3ヶ月以上の就労だけです。対して、ファルマスタッフやヤクジョブでは、1年間の就労が条件ですね。
また、教育制度がしっかりしている派遣会社の方が良いですね。
派遣会社で最も教育に力を入れてるのは、ファルマスタッフです。入職導入研修をはじめ、キャリア支援研修など、ブランクがある女性薬剤師にも支援を行っています。認定薬剤師の単位取得をサポートし、費用を全額サポートしてくれる派遣会社もあります。
方法2:時給4千円以上の派遣・パートを探す
公式サイト:薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
転職サイトを利用すれば、簡単に高時給の派遣・バイト求人を探せます。
転職サイトで求人検索すると、パートの全国平均2,196円よりも高収入の案件がたくさんありますね。派遣に限って言えば、6割以上の求人が時給3,000円以上です。「ファルマスタッフ」だと時給4000円以上の求人は22件、時給3000円以上は640件も見つかります。
薬剤師が少ない地域だと、平日で時給が4000円を超える求人もあります。
まずは、自分が住んでいる地域で、高時給の案件がないか検索してみましょう。検索条件に都道府県と希望時給を入力すれば簡単に探せますね。また、自分で探すよりも、キャリアコンサルタントに依頼した方が効率良く案件を探せます。
方法3:コンサルタントに高単価の案件を探してもらう
- 公開求人と非公開求人から、高時給の案件を探してくれる
- 派遣やパートどちらが良いか、多角的にアドバイスしてくれる
- 地域内で案件がなくても、交通圏内で求人を探してくれる
- 勤務地や条件に合わせて、求人をスクリーニングできる
- 条件に納得できなければ、担当者に給与交渉してくれる
- 薬事師専門の転職プロから、客観的なアドバイスが得られる
派遣やパートの案件を探す際には、コンサルタントに依頼した方が効率良く探せます。
コンサルタントに依頼すると、一般に公開されてない非公開求人からも案件を探してくれます。転職サイトやハローワーク、町の求人情報だけでは限界がありますね。地域内で高時給の案件がなくても、交通圏内で条件に合う求人をリストアップしてくれます。
また、細かく条件を設定できるメリットも大きいです。「〇〇駅から徒歩20分圏内」「時給3500円以上」「週3日労働〜」など、条件に合致する求人を探してくれます。給与条件が合わない場合も、キャリアコンサルタントが給与交渉してくれます。
まとめ:紹介予定派遣を利用する利点はない?
- 試用期間後に、必ず直接雇用されるとは限らない
- 直接雇用=正社員ではなく、パートや契約社員もある
- 派遣よりも、時給は500円程度低く設定されてる
- 紹介派遣の時給相場は、1800〜2200円である
- 派遣に強い専門紹介会社で、紹介予定派遣は2%しかない
- 書類選考や面接よりも、実は採用ハードルが高い
薬剤師から見たら紹介予定派遣の利点は薄いですね。なぜならば、免許制度で供給が限られる薬剤師は、私たちが希望すればいつでも正社員になれるからです。求人数が少ない上に、パート並みに時給が低い紹介予定で働く必要性は薄いです。
派遣を選ぶ薬剤師は、時短労働ができる上に高時給目的に選びます。
派遣に強い「ファルマスタッフ」でも、紹介予定派遣の求人数は1563件(2%)しかありません。また、時給も1800〜2200円とパート並みに低いです。紹介予定派遣の数が少ない理由は、それだけ薬剤師とは相性が良くない事の証拠です。
また、紹介予定派遣は必ずしも正社員登用される訳でない事も注意が必要です。正社員として働きたいならば、わざわざ紹介予定派遣を利用する必要性はないですね。薬剤師はどこも人材不足なので、店舗に応募すれば普通に採用してくれます。
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