正社員を辞めて、派遣薬剤師で働きたいと考える人が増えています。しかしながら、派遣と聞くと社会的に不安定なイメージが多く、本当に働いて良いのか不安に思う人も少なくないですよね。では、正社員と比較した派遣薬剤師のメリットとデメリットは何があるのでしょうか?
- 「派遣になれば、20代でも年収800万円稼げるって本当なのか…」
- 「40代前半で給料が低すぎる、派遣で働いた方が生活が安定する…」
- 「時給3千円で月給36万円、産休や育休も取れるって何か裏がないかな…」
給料が高い理由だけで、安易に派遣を選択すべきではありません。
なぜならば、派遣は給料が高い反面、社会的な信用力が低いなどデメリットもあるからです。派遣会社は「時給4千円以上、想定年収800万円」の求人を紹介していますね。しかしながら、収入が発生しない月もあるし、体調不良で休めば無給休暇になる派遣会社も多いです。
ただし、メリットやデメリットを考慮すると、派遣の方が向いてる薬剤師が多いのも事実です。
2000年の派遣法規制緩和以降、派遣を選択する薬剤師は右肩上がりで増えています。完全免許制で、女性が6割を占める薬事師業界は、派遣で働いた方が得をする人が多いからです。ぶっちゃけ、結婚や育児でキャリアが形成しにくい女性は、派遣で働いた方が得をします。
正社員で働いても、時間給は2,822円しか得られない上に昇給額も限られます。
ここでは、正社員と派遣を比較した際のメリットとデメリットを紹介します。また、正社員よりも派遣に向いている薬剤師を紹介します。ただし、派遣を選択する際には、デメリットも考慮した上で選択しましょう。
- 正社員と派遣を比較したメリットとデメリットは?
- 正社員と派遣の時間給を比較すると、どれくらい違う?
- 正社員よりも、派遣に向いている薬剤師の特徴は?
記事の内容を簡単に知りたい
正社員から、派遣になるのはやっぱりリスクが高い…
派遣の高時給を知って興味を持つ人は多いですよね。しかしながら、本当に正社員から派遣に転向して良いのか不安になる薬剤師は少なくありません。
Aさん)派遣なら20代でも年収800万円稼げるのに…
【質問】派遣薬剤師って稼げるになんでみんなやらないんですか?20台でも800万とか普通に稼げるのにやらないってもったいないですよね?
【回答】薬剤師です。そう言いたい気持ちは分かります。和歌山県内は、派遣で仕事をすると、時給4500円のところもあります。薬剤師が不足している地域なので、このような値段になるわけで、勤務時間がかなりになれば年収800万円も十分にありえます。
ただ、派遣は期間限定というのがありますので、年を取ってから再就職ができなくなるという不安を考えれば、なかなか手を出しにくいと思います。期間に縛られず安定的に年収を稼ぐとなれば、多少安くても正社員職を選びます。薬剤師過疎地域であれば、正社員で600万円以上は当たり前、場所と仕事内容によっては750万円でも十分にあります。
参考:Yahoo知恵袋
免許制の薬剤師は、実は正社員よりも派遣の方が稼げますね。年収800万円は難しいけれども、20代でも年収600万円を稼ぐのは難しくないです。ただし、時給が高い派遣は期間が短い、給与が発生しない待機期間があるなどデメリットもありますね。
時給が高いから派遣を選択するのではなく、総合的に判断した方が良いですね。
Bさん)40代前半だけど派遣で働いた方が良いかも…
薬剤師派遣について教えてください。今、40代前半の男性です。就活をしていて病院を探しています。いくつか内定をもらったのですが給料が安くて悩んでいます。病院薬剤師の経験は15年有ります。いっそのこと派遣薬剤師で生きようかなっと考え始めたのですが、調剤薬局の経験は無くて、こんな場合でも調剤薬局の派遣薬剤師をやることは可能ですか?
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師派遣のメリットは、年齢が若くても高収入を得られる事です。ただし、40代や50代など年齢を重ねると、逆に派遣のデメリットが大きくなります。出向先で働く派遣は、基本的には平均年齢が若いほど受け入れ先が多いです。
40歳を過ぎても給料が低い原因は、病院勤務になりますね。薬剤師で15年の経験があれば、ドラッグストアや調剤薬局に勤務するだけで、年収は100〜200万円ほど増えます。定年まで安定して働く事を考えると、正社員を目指した方が良いですね。
Cさん)時給3000円で産休や育休も取れる…
薬剤師のパート(派遣社員)について。下の求人を検討しています。 処方箋科目総合処方箋枚数1日平均60~80枚。
応募資格薬剤師免許
*実務経験者給与時給 3,000円〜
*経験・能力を考慮の上、決定いたします就業時間月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 08:30〜17:30
*週30時間程度(時間・曜日応相談)休日【定休日】土曜・日曜・祝日
- 待遇◇医療過誤保険
- ◇社会保険・福利厚生・・・契約内容に準拠し適用されます
- ◇有給休暇・・・契約内容に準拠し付与されます
- ◇産前産後休暇・・・労働基準法の定めによる
- ◇育児休暇・・・適用条件あり
- ◇交通費全額支給
- ◇選択制福利厚生制度(K・POINT)
- ◇優待制度クラブオフ利用可
単純計算すると、週30時間なら額面で月に36万円になります。パートだとここからどれくらい引かれた手取りになるでしょうか?春に結婚するので、子供ができるまではしばらく働こうかと思っているのですが…
婚約者が勤める大学病院の門前薬局で、生活のリズムも合って良いかなと思ったりしています。常勤よりは妊娠した時など退職もしやすいのかなとも思います。甘いでしょうか?枚数が少ない割に時給が高く、何か理由があるのかとも思ったりしますが、アドバイスいただけたら嬉しいです。
参考:Yahoo知恵袋
女性が6割を占める薬剤師は、正社員よりも派遣で働く人が増えています。時給3千円で週30時間勤務、少ない労働にも関わらず年収は432万円も貰えます。さらには、条件を満たせば産休や育児、有給休暇もありますね。
基本的には、薬剤師派遣の方が正社員やパートよりも給与が高いです。派遣の待遇が良い理由は、正社員やパートで足りない人材を、外部からの派遣で埋めるからです。そのため、派遣の時給が多少高くても、薬局店舗を運営するために必要不可欠な人材です。
薬剤師が少ない地域であれば、時給4千円を超える求人も普通にあります。では、正社員と比較して、私たち薬剤師が派遣で働くメリットやデメリットは何があるのでしょうか?
正社員と時給のメリットや時間給の比較結果は?
正社員と派遣と比較した際のメリットやデメリットは何でしょうか。また、薬剤師が派遣で働いた場合、どれくらい給料は高くなるのでしょうか?
その1:正社員と比較したメリットや「デメリット」は?
働き方 | メリット | デメリット |
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正社員 |
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派遣 |
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正社員で働く最大のメリットは、社会的な信用が高く雇用が安定する事です。社会保障や福利厚生が充実し、賞与や退職金も支給されます。ただし、正社員は時間給が少ない、育児や家庭を両立できない、女性はキャリアを形成しにくい問題があります。
また、ブラックに勤めると、賞与や残業代が支給されない職場もあります。また、昇給額が少ない薬剤師は、会社員と比較して正社員で働くメリットは弱いと言えます。
対して、派遣で働く最大のメリットは、額面給与が高い事です。
時給3千円ならば月給は48万円です。また、薬剤師が少ない地域ほど時給は高く、4千円を超える求人も実際にあります。時給4千円で働けば、額面月給は64万円まで増えます。定年まで働き続ける事を前提にしてない女性には、派遣の方が相性が良いですね。
では、派遣で働くとどれくらい給料が高いのでしょうか?
その2:正社員の時間給は「2,822円」しかない?
働き方 | 月収 | 賞与 | 年収 | 時給 |
---|---|---|---|---|
正社員 | 37.9万 | 87.7万 | 542万 | 2,822円 |
派遣3千円 | 48万 | なし | 576万 | 3,000円 |
派遣4千円 | 64万 | なし | 768万 | 4,000円 |
薬剤師の場合は正社員よりも、実は派遣で働いた方が給料は高いです。
薬剤師の平均年収は542.5万円、月給は37.9万円です(参考:平成30年 賃金構造基本統計調査)。1日8時間で月20日労働だとすると、正社員の時間給は2,822円が相場です。対して、時給3千円で働いたら年収は576万円、4千円なら年収は768万円です。
もちろん、単純に給料が高いからと、派遣が良いわけではないですね。派遣は社会的な信用力が低い上に雇用が不安定です。また、給料が発生しない期間や無給休暇も考慮する必要があります。
ただし、結婚や出産を機に職場を離れる女性は、給料が高い派遣の方が都合が良いですね。2000年に薬剤師派遣が認められて以降増え続ける理由は、女性が6割を占める特殊な業界だからです。では、どのような薬剤師が派遣に向いてるのでしょうか?
その3:正社員より派遣に「向いてる」薬剤師は?
- 2〜3年の短期間で、効率良く収入を稼ぎたい人
- 引越しや結婚の予定があり、働ける期間が決まってる人
- 残業せずに定時退社したい、サービス残業したくない人
- 賞与や未来の退職金よりも、働いた分の給与が欲しい人
- ひとつの職場で、定年まで働く予定がない人
- 結婚や妊娠を機会に、職場を離れる予定がある人
- 結婚相手のパートナーの収入が十分にある人
派遣に向いてる人は、短期間で効率良く稼ぎたい薬剤師です。
引越しや結婚の予定があり、働ける期間が決まってる人は派遣の方が良いですよね。他にも、残業せずに定時退社したい人、ひとつの職場で定年まで働く予定がない人も派遣に向いてます。
極論を言ってしまうと、男性以外の女性薬剤師は派遣で働いた方が得をしますね。なぜならば、男性と違い女性は、結婚や妊娠、親の介護などライフスタイル毎に働き方が大きく変わるからです。キャリアが形成しずらい女性にとって、賞与や未来の退職金に期待するのは現実的ではないです。
また、最近の傾向としては、高時給を目的に派遣を目指す男性も増えています。
男性が増えてる原因は、薬剤師の昇給額が期待するより少ないからです。完全免許制で供給が限られる薬剤師は、需要が増えるほど派遣の時給が高騰します。昇給額が少ない性質上、派遣を目指す若者が増えるのは避けられないですね。
薬剤師が少ない現状では、夜勤バイトで日給が4万円を超えるほど高騰しています(参考:夜間バイトは時給3〜5千円も貰える?)
では、私たち薬剤師が、派遣やパートで高収入を得るにはどうすれば良いのでしょうか?
薬剤師の派遣・パートで高時給の求人の探し方は?
私たち薬剤師が、好条件で派遣やパートで働くにはどうすれば良いのでしょうか。
方法1:福利厚生や研修が充実してる派遣会社を選ぶ
派遣会社 | 求人数 | 有給条件 | 健康保険 | 教育制度 |
---|---|---|---|---|
薬キャリ | 57,673件 | 3ヶ月 | 21,250円 |
|
ファルマスタッフ | 60,737件 | 1年以上 | 24,250円 |
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ヤクジョブ | 95,599件 | 1年以上 | 24,000円 |
|
派遣やパートで働く際には、派遣会社選びが重要になります。
派遣会社を選ぶ際には、福利厚生や教育体制がしっかりしている会社を選ぶべきです。例えば、有給を付与される条件は、薬キャリだと3ヶ月以上の就労だけです。対して、ファルマスタッフやヤクジョブでは、1年間の就労が条件ですね。
また、教育制度がしっかりしている派遣会社の方が良いですね。
派遣会社で最も教育に力を入れてるのは、ファルマスタッフです。入職導入研修をはじめ、キャリア支援研修など、ブランクがある女性薬剤師にも支援を行っています。認定薬剤師の単位取得をサポートし、費用を全額サポートしてくれる派遣会社もあります。
方法2:時給4千円以上の派遣・パートを探す
公式サイト:薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
転職サイトを利用すれば、簡単に高時給の派遣・バイト求人を探せます。
転職サイトで求人検索すると、パートの全国平均2,196円よりも高収入の案件がたくさんありますね。派遣に限って言えば、6割以上の求人が時給3,000円以上です。「ファルマスタッフ」だと時給4000円以上の求人は22件、時給3000円以上は640件も見つかります。
薬剤師が少ない地域だと、平日で時給が4000円を超える求人もあります。
まずは、自分が住んでいる地域で、高時給の案件がないか検索してみましょう。検索条件に都道府県と希望時給を入力すれば簡単に探せますね。また、自分で探すよりも、キャリアコンサルタントに依頼した方が効率良く案件を探せます。
方法3:コンサルタントに高単価の案件を探してもらう
- 公開求人と非公開求人から、高時給の案件を探してくれる
- 派遣やパートどちらが良いか、多角的にアドバイスしてくれる
- 地域内で案件がなくても、交通圏内で求人を探してくれる
- 勤務地や条件に合わせて、求人をスクリーニングできる
- 条件に納得できなければ、担当者に給与交渉してくれる
- 薬事師専門の転職プロから、客観的なアドバイスが得られる
派遣やパートの案件を探す際には、コンサルタントに依頼した方が効率良く探せます。
コンサルタントに依頼すると、一般に公開されてない非公開求人からも案件を探してくれます。転職サイトやハローワーク、町の求人情報だけでは限界がありますね。地域内で高時給の案件がなくても、交通圏内で条件に合う求人をリストアップしてくれます。
また、細かく条件を設定できるメリットも大きいです。「〇〇駅から徒歩20分圏内」「時給3500円以上」「週3日労働〜」など、条件に合致する求人を探してくれます。給与条件が合わない場合も、キャリアコンサルタントが給与交渉してくれます。
まとめ:派遣薬剤師のメリットとデメリットは?
- 2〜3年の短期間で、効率良く収入を稼ぎたい人
- 引越しや結婚の予定があり、働ける期間が決まってる人
- 残業せずに定時退社したい、サービス残業したくない人
- 賞与や未来の退職金よりも、働いた分の給与が欲しい人
- ひとつの職場で、定年まで働く予定がない人
- 結婚や妊娠を機会に、職場を離れる予定がある人
- 結婚相手のパートナーの収入が十分にある人
給料が高い理由だけで、安易に派遣を選択すべきではないですね。なぜならば、派遣は給料が高い反面、社会的な信用力が低いなどデメリットもあるからです。派遣会社は「時給4千円以上、想定年収800万円」の求人を紹介していますね。しかしながら、収入が発生しない月もあるし、体調不良で休めば無給休暇になる派遣会社も多いです。
ただし、メリットやデメリットを考慮すると、派遣の方が向いてる薬剤師が多いのも事実です。
2000年の派遣法規制緩和以降、派遣を選択する薬剤師は右肩上がりで増えています。完全免許制で、女性が6割を占める薬事師業界は、派遣で働いた方が得をする人が多いからです。ぶっちゃけ、結婚や育児でキャリアが形成しにくい女性は、派遣で働いた方が得をします。
正社員で働いても、時間給は2,822円しか得られない上に昇給額も限られます。ただし、派遣を選択する際には、デメリットも考慮した上で選択しましょう。給料が高いからと安易に転向すると、あとで後悔する人も少ないありません。
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