薬剤師のコスパが悪い3つの理由は?|学費が高く昇給しない

近年、薬剤師は割に合わない資格と言われるようになりました。理由は6年制大学で学費が高い上に、医師や歯科医師と比較して給与が低いからです。4年制大学の看護師と大きく変わりません。しかしながら、本当に薬剤師の資格は割に合わないのでしょうか?

  • 「薬剤師は低給で、コスパが悪いって本当ですか…」
  • 「薬剤師は医師のパシリ、男性が就く仕事ではない…」
  • 「片手間なら割に合うが、本業で働いたら損をする…」

薬剤師が割に合わない最大の理由は、学費が高額な上に年収が低いからです。

6年制大学を卒業するために、学費は1127万円も必要です。卒業して薬剤師になるも、平均年収は医師の半分以下で542万円しかありません。また、50代前半になると、男性会社員よりも平均年収は低くなります。

この事実だけを考えると、確かにコスパが悪い資格だと言えますよね。

しかしながら、個人的には薬剤師ほど自由度が高く、高収入を得やすい職業はないと思います製薬会社に行けば年収は1千万円を超えますね。また、ドラッグストアに勤務するだけでも、薬剤師手当で月8〜12万円も得られます。時短労働もしやすく、夜勤1日で4万円の求人もあります。

少し乱暴な言い方をすると、医師の指示通りに処方箋を出すだけで年収は542万円です

ここでは薬剤師の費用対効果が悪いと言われる3つの理由を紹介します。それから、医師や看護師にはない薬剤師のメリットも紹介します。高収入ではないのは事実だけれども、土日祝日休みで定時帰宅しやすい薬剤師ほど恵まれた職は少ないです

薬剤師の費用対効果を知りたい人向け
  1. 薬事師の費用対効果が悪い3つの理由とは?
  2. 医師や看護師にない薬剤師のメリットは?
  3. 薬剤師で年収700万円以上を稼ぐには?

薬剤師はコスパが悪い資格って本当なのか…

薬剤師の国家資格は、コスパが悪いと考える人が多いですね。

Aさん)薬剤師は本当に低給できつい仕事ですか…

薬剤師の給料についてです。私は現在薬剤師を目指しているのですが、最近、薬剤師が高給取りだと言うのは嘘で年収はとても低い、コスパが悪い、などと言われているのを耳にします。私は薬学というものに興味があり薬剤師を目指そうと思ったので給料などはあまり気にしていなかったのですが、本当に低給できつい仕事なのでしょうか?

また、製薬会社や病院、ドラッグストアなどが主な就職先だと思うのですが、働く場所によってどのくらい年収に差が出るのでしょうか?薬剤師として働いていらっしゃる方にお聞きしたいです。

参考:Yahoo知恵袋

コスパが悪いと言われる理由は、6年生大学の学費1200万円に対して給料が低いからですね。しかしながら、決して薬剤師の給料が低いわけではありません。薬剤師の給与は、「大手製薬会社>公務員薬剤師>ドラッグストア>>調剤薬局>民間病院」で給与差があります。

大手製薬会社のMRは、40歳前後で年収1千万を超えます。また、ドラッグストアに就職すれば、薬剤師手当だけで月8〜12万円も得られます。

Bさん)医師のパシリで男がやる仕事ではない…

薬剤師ってコスパ悪いですね6年も通って専門学校でも取れる検査技師や看護師と同じ給料。国公立大学薬学部卒でも専門学校と同じ待遇で惨めですよね。一生医者のパシリでとても男のやる仕事ではないですよね。薬剤師って飽和するし将来性もないし目指す人って重度の馬鹿にしか見えません。薬剤師に聞きたいですがなぜ薬剤師になったのですか?薬剤師をやめたいと思ったことありますか?進路変更した人とかの意見も聞きたいです。

参考:Yahoo知恵袋

医師や看護師と比較して、薬剤師が割りに合わないと考える人も多いですよね。医師や看護師は、連日当直や夜勤で労働環境が過酷です。対して、薬剤師は仕事内容が楽な割りに、高収入を得られる資格です。

医師は年収1千万円を貰っていても、過労死寸前で働く人が多いですね。労働時間が短い上に給料が高い薬剤師を辞める人は、基本的にはいません。

Cさん)薬剤師は片手間なら良いが本業には向かない…

薬剤師という資格のコスパは良いですか?昨今はドラッグストアでアルバイトみたいに仕事をしている人が多数いらっしゃいますが。。なんか素人でもできそうな仕事しかしてそうにないですが、、昔より待遇が悪くなっていませんか?有資格者が多くなりすぎて、飽和状態となっているのかなと外から見て思います。片手間に仕事をするには割がいいと思いますが、、難しそうな資格の割にコスパが悪いと思います。現状を教えて頂ければと思います。

参考:Yahoo知恵袋

レジや品出しをしてる店員は、薬剤師ではなく登録販売者の資格を持つスタッフです。ドラッグストアに就職する薬剤師が増えているのは、単純に給料が高いからです。また、アルバイトで働く薬剤師が増えてるのも、時短労働で高収入を得られるからです。

薬剤師が足りない地域に行くと、夜勤1回で最大4万円を稼げる職場もあります(参考:薬剤師の夜勤手当の相場は?|最大で日給4万円も稼げる?)。片手間で働く薬剤師が多いのは、女性の割合が6割を占めるからです。

女性からしたら薬剤師ほど魅力的な職場はありません。なぜならば、時短労働で高収入が得られ、いつでも復職できるからですね。薬局の数はコンビニよりも多く5.9万件、全国どこにいても働けます。

では、なぜ薬剤師は費用対効果が悪いと言われるのでしょうか?

薬剤師の「費用対効果」が悪い3つの理由は?

費用対効果が悪い理由は、学費の割りに得られる給与が少ないからです。

理由1:学費が「1127万円」超えるほど高い?

参考:国公立と私立とでは10倍以上の差にも!? 実際いくらかかる?

費用対効果が悪いと言われる最大の理由は、高額だからです。

6年制私立大学の卒業に必要な学費は1127万円ですね。国立大学は350万円だけれども、偏差値が高く競争倍率が高いです。学費の他に月10万円の生活費も含めると、卒業するまでに必要な費用は2千万円近いです。

また、薬剤師の資格は医師や歯科医ほどは高収入ではありません。6年間の奨学金を返済するのに、10年以上もの期間を必要とします

理由2:医師と比較して年収が「半分」しかいない?

年齢 労働時間 超過時間 月給 賞与 平均年収
医師 40.9 162H 16H 89.0万円 92.1万円 1160.1万円
歯科医 37.3 168H 4H 65.9万円 57.3万円 848.1万円
看護師 39.3 158H 7H 33.1万円 81.6万円 478.8万円
薬剤師 38.6 162H 12H 37.9万円 87.7万円 542.5万円

一般会社員の平均年収441万円と比較すると、薬剤師は101.5万円も高いです。しかしながら、医師と比較すると618万円も低いです。4年制大学の看護師と比較しても、64万円しか違いがありません。

6年制大学を卒業しても、看護師と変わらない事を考えるとショックですよね。

理由3:男性会社員に「50代前半」で給与が逆転する?

年代別 薬剤師 一般会社員
男性 女性 男性 女性
20代前半 487万円 496万円 279万円 243万円
20代後半 536万円 517万円 393万円 318万円
30代前半 599万円 551万円 461万円 315万円
30代後半 661万円 576万円 517万円 315万円
40代前半 661万円 579万円 569万円 308万円
40代後半 658万円 617万円 630万円 310万円
50代前半 665万円 580万円 677万円 302万円
50代後半 680万円 586万円 669万円 298万円

参考:薬剤師の年収は542.5万円|男女別、年代別、会社別の相場は

薬剤師の年収は、50代前半で一般会社員に逆転されます。

逆転されるのは50代前半だが、実際には30代や40代で差は徐々に小さくなります。40代前半では90万円だけ違い、40代後半では28万円まで縮小します

実力主義の民間企業では、30代で薬剤師より稼ぐ会社員はたくさんいますね。

普通に考えたら、40〜50代で会社員に逆転されるのはショックですよね。私たち薬剤師は国家資格を取得のために、6年制の大学を卒業し1200万円もの学費を支払うからです

以上の理由で、費用対効果が悪いと語る薬剤師は多いです。でも、国家資格である薬剤師は、本当にコスパが悪い資格なのでしょうか?

医師や看護師にない薬剤師の「メリット」は?

薬剤師のメリットは...
  1. 薬剤師の平均年収は542万円、会社員より101万円も高い
  2. 女性の平均年収は524万円、会社員女性より237万円も高い
  3. 景気動向に影響を受けず、常に年収は平均以上を得られる
  4. 調剤薬局や製薬会社など、働き方を柔軟に選択できる
  5. 薬剤師の資格があれば、全国どこでも高収入で働ける
  6. 女性でも男性と同様に、キャリアを形成しやすい
  7. 都内薬局の給料は低く、地方に行くほど給料は高い
  8. 調剤薬局で働いた場合、労働時間が短く定時に帰宅できる
  9. 結婚や出産で職場を離れても、簡単に再就職ができる
  10. 派遣やアルバイトでも、時給3千円で時短労働できる
  11. 定年まで働けるし、薬剤師が足りない地域なら定年後も働ける

個人的には、薬剤師ほどコスパが高い資格はないと思います。

年収1千万円以上の高収入が得られる反面、医師の多くは過労死寸前で働いています。本業の診療だけでも忙しい上に、連日の当直や夜勤バイトで疲労していますね。年収1千万円を超えるのは40代後半で、20代は500万円以下です

また、看護師は給料が低い上に重労働です。月に6〜8回夜勤して、ようやく年収が500万円に届く程度です。その上、男性患者からのセクハラや汚物処理、それから肉体労働で疲労も大きいですね。過酷な業務内容を考えると、割りに合うとは言えません。

対して、薬剤師の業務内容はどうでしょうか?

少し乱暴な言い方をすると、医師の指示通りに処方箋を出すだけで年収は542万円です処方権は医師にあるため、患者の容体に責任を持つのは医師です。調剤薬局に勤務すれば、土日祝日は休める上に定時退社もできます。

さらに、女性薬剤師はいつでも社会復帰できる上に、会社員女性よりも2〜300万円も年収が高いですね。薬剤師が足りない地域に行けば、定年過ぎても割と自由に働けます。

薬剤師のコスパが低いと感じる理由は、平均年収以上の収入を得られていないからですね。平均年収以下で働く薬剤師が多い一方で、年収700万円以上稼ぐ人もたくさんいます。

薬剤師で「年収700万円」以上稼ぐ方法は?

私たち薬剤師が、年収700万円以上を稼ぐにはどうすれば良いでしょうか。

方法1:特定の「専門領域」に特化した薬剤師を目指す

専門領域に特化すると...
  1. がん薬物療法認定薬剤師など、専門領域に特化する
  2. 漢方薬・生薬認定薬剤師など、専門領域に特化する
  3. 製薬の知識を活かして、日系や外資系でMRを目指す
  4. 製薬会社で、学術やDI業務(医薬品管理)など研究職を目指す

私たち薬剤師の仕事は、本来ならば専門職である必要があります。

しかしながら、調剤薬局やドラッグストアの現場をみると、単調でルーチンワークするだけの薬剤師が多いですねこれからの薬剤業界を生き延びるならば、最低でも1つ以上の専門領域を作る必要があります。

例えば、「がん薬物療法認定薬剤師」など特定分野に特化すべきですね。

特定領域の専門家になると、癌を専門にする病院から高待遇でチーム医療に携われます専門病院では、最先端の技術が揃い医療チームが欧米化していますね。さらには、癌の医薬品を研究開発する製薬会社や医薬品メーカーからも声が掛かります。

処方通りに調剤するだけでは、今後も需要が下がるのは避けられません。

方法2:調剤だけでなく「管理薬剤師」を目指す

管理薬剤師を目指すと...
  1. 現場をマネジメントできる人材は、民間企業で需要が高い
  2. 調剤薬局でも管理薬剤師になると、年収600〜700万円になる
  3. ドラッグストアで、店舗責任者になると年収は700万円以上
  4. 管理薬剤師になると、製薬会社からも需要が高い

薬剤師に必要な基礎知識を習得したら、現場をマネジメントできる管理薬剤師を目指しましょう。管理薬剤師という肩書を貰えれば、現場責任者として責任ある仕事ができます。

調剤薬局やドラッグストアで管理薬剤師になると、その店舗の最高額の給与を得られますね

都内の薬局であれば年収は600万円、地方の年収が高い地域なら700〜900万円、ドラッグストアでも年収700万円以上を得られます。また、調剤経験がある上に現場をマネジメントできる人材は、製薬会社からも需要が高いですね

管理薬剤師として働いた経験があれば、今後も需要は伸び続けます。

方法3:薬剤師の数が少ない「地域」で働く

薬剤師が少ない地域とは...
  1. 薬剤師が少ない地方ほど、薬剤師の給料は高い
  2. 高齢化社会で老人が増え、地方ほど薬剤師の需要は高い
  3. 東京は平均年収620万に対して、薬剤師は570万だけ
  4. 奈良県の平均年収は777万円、静岡県は684万円もある
  5. 同じ県内でも都市を離れるだけで、100〜200万円も変わる

薬剤師の数が少ない地域で働く方が、ホワイト求人は多くなります。

なぜならば、薬剤師が辞めたら運営できないため、給与や福利厚生が手厚くなるからです。薬剤師の数が多い都市では、代わりの人材がすぐに見つかりますね。そうなると、薬剤師の労働条件も悪くなります。

薬剤師が少ない地域では、年収800万円以上で募集する求人もあります。また、同じ県内でも都市部を少し離れるだけでも違います。例えば、福岡市内の調剤薬局では年収500万円、市内から少し外れた地域に行くと年収800万円で募集してます

住む場所を変えるだけで、簡単に労働条件や年収を増やせるのは薬剤師の特権です。薬剤師が余っている都市部よりも、高齢化が進む地域社会に貢献した方が私たちの給与も増えます

参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?

まとめ:薬剤師のコスパが悪い3つの理由は?

薬剤師のメリットは...
  1. 薬剤師の平均年収は542万円、会社員より101万円も高い
  2. 女性の平均年収は524万円、会社員女性より237万円も高い
  3. 景気動向に影響を受けず、常に年収は平均以上を得られる
  4. 調剤薬局や製薬会社など、働き方を柔軟に選択できる
  5. 薬剤師の資格があれば、全国どこでも高収入で働ける
  6. 女性でも男性と同様に、キャリアを形成しやすい
  7. 都内薬局の給料は低く、地方に行くほど給料は高い
  8. 調剤薬局で働いた場合、労働時間が短く定時に帰宅できる
  9. 結婚や出産で職場を離れても、簡単に再就職ができる
  10. 派遣やアルバイトでも、時給3千円で時短労働できる
  11. 定年まで働けるし、薬剤師が足りない地域なら定年後も働ける

薬剤師が割に合わない最大の理由は、学費が高額な上に年収が低いからですね。6年制大学を卒業するために、学費は1127万円も必要です。卒業して薬剤師になるも、平均年収は医師の半分以下で542万円しかありません。また、50代前半になると、男性会社員よりも平均年収は低くなります。

この事実だけを考えると、確かにコスパが悪い資格だと言えますよね。

しかしながら、個人的には薬剤師ほど自由度が高く、高収入を得やすい職業はないと思います製薬会社に行けば年収は1千万円を超えますね。また、ドラッグストアに勤務するだけでも、薬剤師手当で月8〜12万円も得られます。時短労働もしやすく、夜勤1日で4万円の求人もあります。

少し乱暴な言い方をすると、医師の指示通りに処方箋を出すだけで年収は542万円です高収入ではないのは事実だけれども、土日祝日休みで定時帰宅しやすい薬剤師ほど恵まれた職は少ないです。薬剤師に不満がある人は、自分の理想とする働き方を自身で設計しましょう。

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