薬剤師は世間一般的には「仕事が楽だ」「安定している」「給料が高い」と言われていますね。しかしながら、実際には薬剤師にもたくさんの不満や悩みがあります。では、私たち薬剤師は、どのような悩みを抱えて日々働いているのでしょうか?
- 「日々の業務が忙しすぎて、もう疲れてしまった…」
- 「上司の当たりがキツくて、人格否定されている…」
- 「職場を辞めたい1番の理由は、給料が低すぎる…」
最も不満を感じている事は、「年収がとにかく低い」が過半数を占めます。
偏差値が高い6年制大学を卒業したのだから、医師や歯科医並みに高収入だと思っている薬剤師は多いです。しかしながら、いざ薬剤師として勤務すると、給料や昇給額の少なさにショックを受けます。50代前半になると、会社員男性よりも年収で抜かれるほどですね。
また、長時間労働に悩む薬剤師も多いです。
長時間労働に悩む理由は、薬剤師が足りてる地域と足りてない地域の格差が大きいからです。薬剤師が足りていない地域で働くと、1.5倍の処方箋を捌く必要があります。調剤業務以外にも、在庫管理、薬歴管理もあるため、時間内に仕事を終えるのが難しいです。
ここでは薬剤師が不満を感じている最も多い4つを紹介します。それから、不満を解決して薬剤師を長く続ける方法も紹介します。薬剤師の仕事は決して楽ではないが、それでも他の一般職と比較して恵まれているのは事実ですね。
- 薬剤師を辞めたいと思う4つの不満とは?
- 「年収がとにかく低い」薬剤師が57.1%もいる?
- 不満を解決して、薬剤師を長く続ける働き方は?
記事の内容を簡単に知りたい
仕事が辛い上に給料が低くて、もう辞めたい…
仕事を辞めたい、転職したいと考えている薬剤師は少なくありません。
Aさん)日々の業務が忙しすぎて疲れてしまった…
仕事が辛いです。調剤薬局で働いている新人薬剤師です。薬局の業務に疲れました。10種類以上の薬を調剤したり、一包化したり、調剤室の中を駆け回るのがしんどいです。件数はそこまで多くないのに、1件1件が重いので、評価もあまり良くないです。この立場で言いにくいのですが、実際10種類以上もの薬をきちんと飲んでいるのか、本当に必要なのか分からず、薬剤師としての仕事に対しても不安や疑問を持っています。
正直うつっぽい気分で毎日仕事をしています。何かアドバイスがあればお願いします。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師になってすぐは、覚える内容が多く大変だと感じる事が多いですね。しかしながら、最初に苦労する事で、将来必要な様々な経験やスキルを磨けます。調剤業務の大変さ、正確さ、患者や同僚との付き合い方など、学ぶ事は多いですよね。
処方が正しいのか疑問に思うことも大切ですね。でもまずは医師の処方通りに性格に調剤する事に専念しましょう。周りを見る余裕が生まれたら、少しずつ疑問点を解消したら良いですね。
Bさん)上司からの当たりがキツくて転職したい…
薬剤師の職場環境について。
長文失礼いたします。私は今年から調剤薬局に勤務している新人薬剤師です。今の会社は、
- 研修制度が充実している(マンツーマンで先輩薬剤師が1年指導、月に2度の集合研修など)
- あらゆる科の処方箋を多数受け付けており、たくさんの種類の薬を扱える
- 私の家から職場の距離が遠く、社宅を適応してもらえる(独り暮らしがずっと夢だったので)
- 認定薬剤師がたくさんおり、実習生などをたくさん受け入れている
などの点を魅力に思い、就職しました。けれど、実際就職してみるとまず、
- よく計算したら私の家からギリギリ通えるという事で社宅適応外。毎日片道2時間近くかけて通っています。(社宅適応は片道一時間半以上で、家からバス停までの距離などは考慮してもらえませんでした。)
- 上司の強いあたりに耐えられず、指導役の先輩は早い段階で退職し来なくなり、その事に対する私への説明は無し。
- 新人研修が会社の都合などで無くなったりする。
以上の事から会社に対する不満も高まる中、最近は上司からの当たりのキツさにも参っており、転職を考えています。ここからは愚痴になってしまいますが、お付き合いいただけると幸いです。
どこにでもそういう人はいるというのは理解しているつもりですが、その日の機嫌によって、怒られたり、怒られなかったり、という事が頻繁にあり、何をしたら怒られるのかが全く分からず毎日ビクビクしながら過ごしています。上司の機嫌が悪い時は、どうしたらいいか分からず手が震えて口が乾き、手が冷たくなる位緊張する時もあります。分からない事があって質問すると、それ位自分で考えて、と言われ、自分で考えてやると、きちんと確認して!と怒られて怖くて分からないことがあっても聞けません。
必死に調べていると、早く投薬に行って!あなたが遅いと周りに負担がかかるでしょう。と怒られます。他の薬剤師の方は優しい方も多いので、そういう時は他の方に確認するのですが、他の人に聞いていた質問も聞いていて、後で、あれくらい覚えて!と怒られることもあります。挨拶も機嫌によっては返さず、自分が間違えても謝りもせず、人に何かをしてもらってもお礼も言いません。正直挨拶もお礼も言えないような人は人として全く尊敬できず、そのような上司の元で働くのが苦痛になってきています。
以上の会社に対する不信感、上司からの当たりのキツさから今、転職を考えています。本当にただの愚痴になってしまい、申し訳ないのですが、このような状況は良くあることなのでしょうか?正直、次も同じような職場だったら、と思うと今の職場で頑張ったほうがいいのか、など考え込んでしまいます。
皆さんも、嫌な上司の体験談などありますか?また、今の状況での転職について、進めた方がいい、やめた方がいいなどの意見もお聞かせいだけると嬉しいです。
参考:Yahoo知恵袋
人間関係の悩みは、薬剤師では割と良くあることです。なぜならば、国家資格限定なので流動性が低い上に、人員配置転換やリストラがなく閉じた社会だからです。普通の会社ならば淘汰される人材が残り続け、公務員のように陰険な職場に陥りやすいです。
人間関係のトラブルはどこの職場でもあります。なので、転職は最後のカードにした方が良いですね。まずは、薬局の本部に相談してみましょう。それでも、ダメならば転職を考えた方が良いですね。調剤薬局はコンビニの数よりも多く、無理に我慢し続ける必要はないですね。
Cさん)辞めたい理由の最多は給料に対する不満…
【質問】薬剤師の転職理由で多いのは人間関係なのでしょうか?それとも、月給の不満なのでしょうか?
【回答】薬剤師が転職したいと思う理由として色々ありますが、主なものをあげてみると、
- 給料がよくない
- あまり評価しもらえない
- 長時間労働
- 将来、医療費削減で、仕事が過酷になることが予想される
- 休暇がとれない
…等々と色々とあります。これらの理由を、もう少し統計的に分類してみると、
- 労働条件が悪い
- キャリアアップしたい
- 職場方針の違い
- 給料に不満
- 他にやりたい仕事ある
- スキルアップしたい
- 人間関係が良くない
また、男女別に、その転職理由を見てみると、
男性 ⇒ 「やりがい」を求める傾向が強い
女性 ⇒ 「管理者・経営者への不満」や「結婚・家族の都合」が多い男性と女性では、異なることがわかります。また、薬剤師全体では、転職理由として、一番多かったのは、「給料に対する不満」でした。給料については、満足していない薬剤師が多いのが現状です。
参考:Yahoo知恵袋
職場を辞めたいと思う理由で最多は、給料に対する不満です。薬剤師の年収は542.5万円と決して低くはありません。しかしながら、偏差値が高い6年制大学を卒業した事、学費に1200万円費やした事を考えるとコスパは悪いです。
また、薬剤師が多い東京都だと、年収が500万円を超えない薬剤師も少なくありません。では、薬剤師が職場を辞めたいと思う不満は、具体的には何があるのでしょうか?
薬剤師を辞めたいと思う「4つの不満」とは?
転職サイトのアンケート結果によると、薬剤師の転職理由1位は「年収がとにかく低い」ことです。次に、「長時間労働・残業が辛い」、「今の勤務先に希望が持てず将来が不安」が入ります。では、具体的にはどのような事に不満を感じているのでしょうか?
【不満1位】年収がとにかく低い(57.1%)
- 期待したより年収が低く、450〜500万円で頭打ち
- 1年間の昇給額が、月1万円にも満たない
- 時間外労働で働いてるのに、残業代が支給されない
- 学費1200万円に対して、費用対効果が悪い
- 奨学金を返済するのに、10年以上も掛かる
薬剤師が1番不満に感じる事は、期待した以上に給料が低いことです。
偏差値が高い6年制大学を卒業したのだから、医師や歯科医並みに高収入だと思っている薬剤師は少なくありません。しかしながら、薬剤師の平均年収は542.5万円と高くはないですね(参考:男女別、年代別、会社別の薬剤師の年収相場)。医師の平均年収は1160万円、歯科医師は750万円ですね。
また、20代の給料が高い割に昇給額は少なく、50代前半になると会社員男性の平均年収にも抜けれます。薬剤師の資格を取得するのに、私立で1200万円を投資したことを考えると、費用対効果が悪いのは事実ですね。
国家資格なので安定しているが、平均以上の年収を稼ぐには努力が必要な業種です。
参考:年収700万円を超える薬剤師の働き方|薬局や病院を辞める?
【不満2位】長時間労働・残業が辛い(46.4%)
- 薬剤師数が少なくて、労働時間が長く休みがない
- 薬剤師が1人しかいない職場で働いている
- 薬剤師が多い地域と少ない地域で格差が大きい
- 東京都は10万人に対して、薬剤師が218人もいる
- 青森県は10万人に対して、薬剤師が143人しかない
- スタッフが足りないと、薬剤師もレジ打ちや品出しする
仕事が楽だと思わながちな薬剤師だが、長時間労働に苦しむ人も多いです。
長時間労働に悩む薬剤師が多いのは、薬剤師が足りてる地域と足りてない地域の格差が大きいからです。人口10万人当たりの薬剤師数が多いのは、東京都で218人ですね。対して、青森県は143人、沖縄県は134人しかいません。
薬剤師数が少ない地域では、1人で1.5倍の処方箋を捌く必要があります。調剤業務以外にも、在庫管理、薬歴管理もあるため、時間内に仕事を終えるのが難しいです。
また、薬局併設のドラッグストアも増えていて、薬剤師が1人しかない職場も多いです。地方に行くと年収が増えるけれども、薬剤師が足りていない地域は労働環境も過酷になります。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
【不満3位】希望が持てず将来が不安(35.7%)
- 薬剤師数が多い東京都では、年収450万円で頭打ち
- 薬剤師は30万人を超え、いずれは飽和状態になる
- 薬剤師が過剰になれば、今よりも給料が下がる
- 人工知能が調剤業務を自動化し、薬剤師がいらなくなる
- 研修が全くなく、処方以外に経験やスキルを積めない
- 扱う診療科が少なく、薬品の知識が増えない
将来に対して、漠然とした不安を感じる薬剤師は少なくありません。
私たち薬剤師は、基本的には医師の指示通りに処方するのが仕事です。日々調剤業務を淡々とこなしていると、このままで本当に良いのかな?という疑問は誰もが持つことです。
薬剤師が多い東京都で働いていると、年収は450万円程度で頭打ちですね。現時点では薬剤師不足だが、30万人を超え今も増え続けています。いずれは飽和状態になり、薬事師の数は過剰になりますね。また、人工知能が普及すると、調剤業務は完全に自動化される時代がきます。
このように悲観的になると、将来の不安要素はいくらでもあります。
しかし、将来的に薬剤師の仕事がなくなる事はありません。将来に不安を感じている人は、まずはキャリア設計してみましょう。人工知能が普及しても、薬剤師は99%の確率で残る仕事です。薬剤師ほど、稼ぎやすくて安定した国家資格はありません。
参考:薬剤師がAIに仕事を奪われる確率は1%|調剤の92%は消滅?
【不満4位】人間関係に不満がある(32.1%)
- 性格が悪い上司に当たり、毎日厳しい事を言われる
- 狭い空間で人間関係が崩れると、毎日がストレスになる
- 女性が6割を占め、職場が陰湿になりやすい
- 要領が悪い後輩を担当すると、ストレスが溜まる
- 疑義照会しようとしたら、先輩薬剤師に怒られた
- 医師が処方したのに、患者から苦情を言われる
薬剤師は毎日同じ同僚と狭い空間で働くため、人間関係のトラブルが起きやすい仕事です。さらに、医師や患者のやりとりでも精神を消耗しますね。
人間関係が悪い職場だと感じたら、無理に続ける必要はないですね。
調剤薬局は全国に5.9万件もあり、コンビニよりも数が多いです。また、大手ドラッグストアの店舗数も右肩上がりに増えています。国家資格さえあれば全国どこでも働くことができますね。職場関係が悪い職場に、精神を擦り減らしてまで働く必要性はありません。
では、私たちが薬剤師を長く続けるには、どのような解決策があるのでしょうか?
不満を解決して、薬剤師を長く続けられる働き方は?
人間関係や労働時間に不満がある人、年収が少なく将来に不安を感じている人、仕事にやりがいを持てない人向けに、解決策や働き方を紹介します。
働き方1:人間関係や労働時間に不満がある薬剤師向け
人間関係に不満がある人は、思い切って職場を変えることを考えましょう。ぶっちゃけ、転職のリスクが高い会社員と違い、私たち薬剤師がひとつの職場にこだわる必要性はありません。調剤薬局の数はコンビニよりも多く5.5万店、ドラッグストアも全国どこにでもあります。
仕事内容は、店舗が変わっても大きくは変わらないですね。店舗が変わっても、私たち薬剤師は経験をそのまま活かせます。また、薬剤師が少ない店舗や地域に行けば、今よりも高収入で採用してくれる薬局もたくさんあります。
また、無理して正社員で働く必要もないですね。国家資格がある薬剤師ならば、実は派遣やパートで働く方が給料は高くもあります。人間関係を整理して、働き方をガラッと変えるのも良いですね。
毎日顔を合わせるのだから、人間関係ほど重要な事はありません。
ただし、次の職場を選ぶ際には、店舗の雰囲気を見た上で判断した方が良いですね。地方の薬剤師に行けば、年収700万円以上で募集している薬局もあります。給料が高い職場の方が人間関係も良いです。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
働き方2:年収が少なく将来が不安な薬剤師向け
平均年収(30歳) | 特徴 | |
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製薬会社 | 600〜800万円 |
|
ドラッグストア | 500〜600万円 |
|
調剤薬局 | 450〜500万円 |
|
病院薬剤師 | 350〜420万円 |
|
参考:薬剤師の年収は542.5万円|男女別、年代別、会社別の相場は
薬剤師の給料に不満を感じる人は、純粋に給料が高い職場に行きましょう。
病院薬剤師では、年収400万円でさえ超えるのは難しいです。また、都内の調剤薬局も年収昇給額が少なく500万円前後で頭打ちです。対して、ドラッグストアや製薬会社の給料は高いですね。
ドラッグストアで給料が高い理由は、薬剤師手当の他に夜勤や時間外労働も加算されるからです。業務は調剤薬局よりも忙しいが、純粋に給料増を求めるなら最適な職場だと言えます。調剤薬局が併設する店舗で働けば、薬剤師としての経験も積めます。
日本の大手製薬会社は、平均年収で1千万円を超えるほど高額です。ドラッグストア以上に仕事が忙しくなるが、30歳でも年収800万円以上を稼ぐチャンスがあります。キャリア志向が強い人は、ドラッグストアも挑戦してみましょう。
参考:薬剤師の年収を上げる7つの方法|二極化で格差が進んでいる?
働き方3:仕事にやりがいを持てない薬剤師向け
- 専門知識を追求して、特定分野の専門家になる
- 病院薬剤師で、医師や看護師とチーム医療に携わる
- 製薬会社や医療メーカーで、調剤以外のビジネス経験を積む
薬剤師の仕事が短調な仕事だと思うならば、自分の専門領域を確立しましょう。
「がん薬物療法認定薬剤師」など、専門領域に特化した認定資格がたくさんあります。私たちの仕事がつまらないと思うのは、誰でも出来る薬剤師の仕事しかしていないからです。特定分野に特化した薬剤師になれば、私たちにしか出来ない仕事があります。
知的好奇心を満たす事で、仕事が楽しくなる薬剤師も実際にいます。
また、薬剤師の仕事に物足りなさを感じるならば、製薬会社や医薬品メーカー、ドラッグストアなどの民間企業に挑戦してみましょう。調剤薬局や病院以外で働くと、営業や研究職、現場のマネジメントなど、調剤以外にビジネスに特化した分野の経験を積めます。
調剤薬局勤務ならば、経験を積んだ後でもいつでも戻れますね。
参考:なぜ薬剤師は死ぬほどつまらないのか?|3つの対策方法は?
まとめ:薬剤師が抱える不満4つは?
- 期待したより年収が低く、450〜500万円で頭打ち
- 1年間の昇給額が、月1万円にも満たない
- 時間外労働で働いてるのに、残業代が支給されない
- 学費1200万円に対して、費用対効果が悪い
- 奨学金を返済するのに、10年以上も掛かる
最も不満を感じている事は、「年収がとにかく低い」が過半数を占めますね。偏差値が高い6年制大学を卒業したのだから、医師や歯科医並みに高収入だと思っている薬剤師は多いです。しかしながら、いざ薬剤師として勤務すると、給料や昇給額の少なさにショックを受けます。50代前半になると、会社員男性よりも年収で抜かれるほどですね。
また、長時間労働に悩む薬剤師も多いです。
長時間労働に悩む理由は、薬剤師が足りてる地域と足りてない地域の格差が大きいからです。薬剤師が足りていない地域で働くと、1.5倍の処方箋を捌く必要があります。調剤業務以外にも、在庫管理、薬歴管理もあるため、時間内に仕事を終えるのが難しいです。
薬剤師の仕事は決して楽ではないが、それでも他の一般職と比較して恵まれているのは事実ですね。薬剤師の国家資格さえあれば、40代でも年収800万円以上を稼ぐのは難しくありません。また、キャリアに関係なく再就職しやすいメリットもありますね。
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