薬剤師の年収は、この先もずっと減少傾向にあると言われています。確かに、薬剤師の飽和状態、診療報酬や薬剤報酬の削減など、暗いニュースしかありません。しかしながら、本当に薬剤師の平均年収はこの先も増えないのでしょうか?
- 「医療業界の現状を見ると、年収500万円止まりは仕方ない..」
- 「薬剤師は明らかに飽和、この先どうなるか予想できない…」
- 「薬剤師の給料は、今後もずっと減少傾向にあるのは否めない…」
薬剤師の平均年収は、実は10年間で緩やかに上昇しています。
10年前の平均年収518万円と比較して、26万円(544万円)も上昇しています。同じ期間の会社員の平均年収は、10年間で11万円(430→441万円)しか増えていません。そのため、薬剤師の給料が減少し続けているという事実はないですね。
しかしながら、薬剤師の給料が増えないと感じている人が多いのも事実です。
減少傾向にある人が多い理由は、稼げる薬剤師と稼げない薬剤師で二極化しているからです。稼げない薬剤師は、30歳を過ぎても年収450〜500万円で頭打ちです。対して稼げる薬剤師は、40歳で年収800万円を超えてきます。
資格を取るだけでは、給料が増えない時代に突入していると言えます。
ここでは、過去10年間の薬剤師の平均年収の推移を紹介します。それから、平均年収以上の稼げる薬剤師の特徴を紹介します。稼げる薬剤師から見たら、薬剤師の国家資格ほど働き方や収入をコントロールしやすい仕事はありません。
- 過去10年間の薬剤師の平均年収の推移は?
- 稼げる薬剤師と稼げない薬剤師で、格差が拡大してる?
- 平均年収以上に稼げる薬剤師の特徴は?
記事の内容を簡単に知りたい
薬剤師の給料は、この先もずっと減少傾向にある…
この先もずっと増えない給料に、不安を感じる薬剤師は多いです。
Aさん)年収500万円止まりなのは仕方ない…
薬剤師の給料はどうすれば上がると思いますか?薬局だと法律で一人頭一定以上処方箋捌いてはいけない病院だと保険点数的にできるだけ少人数の薬剤師でまわす方が得。これじゃぁ給料が500万止まりなのも納得行きます。
10年前と比べたら医療の現場での需要は雲泥の差であることはすごく良くわかります。
病院でも薬局でも一定の地位を持っていますし、薬剤師は確実に必要とされてます。ですが、それと給料は別問題でどんだけ保険点数を稼げるかで給料は決まる。(特に病院は)どうやれば薬剤師の給与は上がるでしょうか?やはりそもそも日本の保険制度が変わらないと、どうしようも無いでしょうか?診療報酬改訂に希望をかけますか。
参考:Yahoo知恵袋
現在の医療業界や薬剤師の現場を見ると、500万円で頭打ちなのは分かりますね。しかしながら、このような状況でも順調に収入を増やす人が増えているのは事実です。例えば、ドラッグストア勤務なら、薬剤師手当で月10万円貰える上に残業代が支給されますね。
薬剤師の数が少ない地方に行くだけでも、年収は700万円に増えます。調剤に加えてマネジメントできる人材ならば、この先も給料が減る事はありません。また、「がん専門薬剤師」や「外来がん治療認定薬剤師」など、専門領域を作ることでも年収は増えます。
Bさん)薬剤師は飽和状態で今後が予想できない…
薬剤師の現状について。6年間も薬学部で学び、やっと薬剤師になれるのにもかかわらずコストパフォーマンスが悪すぎです。しかも薬学部のカリキュラムは厳しいため時間の拘束なども考えると投資に換算するとかなりの投資になります。あれだけ学費(投資)をかけたのにもかかわらず、年収があれだけ低いのではたまったものではありません。
またお金を得ようと思えば、薬剤師とは離れたことをしなければなりません。薬剤師でお金持ちになるのは不可能です。一般的な生活はできますが…ただ一般の人よりプラスαしていい生活が出来るぐらいに考えていいのではないでしょうか?
失業したときの保険など…しかし薬剤師はそろそろ飽和ですしどうなるか予想できません。とにかく現時点で薬剤師は給料面では報われない!!つまり投資した分に見合う配当金がもらえないということです。(例外はあるでしょうけど)
女性薬剤師として主婦のバイト(パート)としては薬剤師は最強といっても過言ではありません。しかし男性の薬剤師は給料面などさまざまな面で学生時代頑張ったのにもかかわらず低いのかもしれません。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の資格を取得すれば、高収入を得られる時代ではないですね。現在の薬剤師業界は、国家資格の知識と経験を活かして自ら稼ぐ時代に突入しています。そのため、同じ病院勤務の40歳でも年収800万円稼ぐ薬剤師もいれば、420万円しか稼げない人もいます。
投資した学費1200万円を回収できるかは、私たち薬剤師の働き方次第です。国家資格を取ったから安泰だと考える人は、年収450万円で頭打ちです。
Cさん)薬剤師の年収はこの先もずっと減少傾向だ…
【質問】6年制の薬剤師が卒業したら飽和し給料が下がると聞きました?給料が下がることは決定ですか?もし下がるとしたらどのぐらいまで下がると思いますか?
【回答】6年制薬学部の薬剤師の卒業でマーケット(薬剤師の就職・転職市場)に大量の薬剤師が供給されるのは事実です。これは新設校がたくさんできたのが理由です。また、もう少し大きな視点で見てましょう。
現在の日本の国民医療費はうなぎ上り、財政的に非常に厳しいです。当然厚生労働省は医療費削減に躍起です。薬剤師の給料(調剤薬局、病院薬剤師の場合)は保険調剤の技術料から得られます。当然、医療費削減のために技術料は削減の方向で動くと考えるのが自然な流れです。(実際、ずっと減少方向です)これもまた事実です。
以上の事実から薬剤師の給料は今後も減少傾向にあることは否めません。ただどこまで下がるかというのは、誰にもわからないというのが正直なとこじゃないでしょうか?
医療といえども経済活動です。だれも馬鹿らしくてこんな仕事やってられないというところまで給料が下がれば、成り手がいなくなってしまいます。そこに行くまでのどこかで下げ止まるでしょう。非常に抽象的な表現で恐縮です。でも誰にもわからないと思います。そして今の薬剤師の給料はどうなるか?という質問に対する、需給バランスから見た平均な答えです。しかしこの平均というものほど当てにならないものはありません。
大切なことは給料が下がるかどうかよりも、どうすれば回りの人に必要とされるかだと思います。結局、給料や報酬って他の人に価値提供した(必要とされ、役に立った)見返りだと思いますので。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の平均年収は、今後も下がり続けると予想する人が多いです。しかしながら、実は過去10年間の薬剤師の平均年収を見ると、むしろ増加傾向にある事が分かります。
薬剤師は稼げないと語る人が増えているのは、稼げる薬剤師と稼げない薬剤師で二極化が進んでいるからです。稼げる薬剤師から見たら、規制産業である医療業界は大きく稼ぐチャンスですね。薬剤師ほど、働き方や年収をコントロールしやすい仕事はありません。
では、薬剤師の平均年収はどのように推移しているのでしょうか?
【過去10年間】薬剤師の平均年収の推移は?
過去10年間の薬剤師の平均年収はどのように推移しているのでしょうか?また、年代別の男性や女性の平均年収の推移を比較してみましょう。
その1:過去10年間で「26万円」も増えている?
薬剤師の年収は毎年減少傾向にあり、稼げない職種だと言われています。減少傾向にあるのは、薬剤師の供給過多、薬剤報酬の改定が原因で挙げられます。
しかしながら、厚生労働省が公表するデータを見ると、実は過去10年間で薬剤師の給与は減少していない事が分かります。むしろ、全体の平均年収は緩やかに上昇していますね(参考:平成30年賃金構造基本統計調査)。
10年前の平均年収518万円と比較して、26万円(544万円)も上昇しています。同じ期間の会社員の平均年収は、10年間で11万円(430→441万円)しか増えていません(参考:【2019年最新版】日本人の平均年収は441万円!)。
男女別の平均年収を見ると、男性薬剤師の年収は横ばいです。女性薬剤師の年収の増加が、全体を底上げしている事が分かりますね。年代別の男女薬剤師の平均年収の推移から、女性薬剤師の年収が増えている理由を考えてみます。
その2:年代別男性の平均年収推移は?
男性薬剤師の平均年収を年代別に見ると、20代前半から30代前半まで右肩上がりで増えます。しかしながら、30代後半以降はほぼ昇給がありません。薬剤師の給料の特徴として、若くても高収入を稼げるが、キャリア形成が難しい職種だと言えます。
実際に、調剤薬局では昇給分が初任給に上乗せされています。売上や利益率が変わらない調剤薬局では、人件費に使える予算は予め決まっています。給料を徐々に昇給させるよりも、額面給与を増やした方が人材を獲得しやすいからです。
10年間の平均年収の推移を見ると、この傾向は10年間で変わっていないです。では、女性の平均年収は、どのように推移しているのでしょうか?
その3:年代別女性の平均年収推移は?
男性の平均年収と比較して、女性の平均年収は緩やかにしか上昇しません。
男性よりも昇給しない理由は、女性のキャリアが限定されているからです。20代後半や30代前半の最も昇給しやすいタイミングで、結婚や出産で離脱する薬剤師も少なくありません。男性の平均年収ピークが30代前半なのに対して、女性のピークは40代後半ですね。
女性薬剤師の年収が増加した理由は、家庭よりも仕事を優先する女性が増えたからと推測できます。飽和状態にある薬剤師業界だが、女性を活用して働き手を増やしたい雇用主側の意図が見えますね。実際に、都市部ではない地方では、薬剤師の数は足りていません。
男性と女性で平均年収差が50万円もあるが、今後さらに近似していきます。
以上の結果から、薬剤師の平均年収は減少していない事が分かります。ではなぜ、薬剤師の平均年収が伸びていないと言われるのでしょうか?
稼げる&稼げない薬剤師で、格差が拡大してる?
- 薬剤師の平均年収は、10年間で26万円も増えている
- 男性は横ばいだが、女性の平均年収が底上げされている
- 平均年収は増える一方で、稼げない薬剤師の数は増えている
- 稼げる薬剤師と稼げない薬剤師で、二極化が進んでいる
- 規制産業だった薬剤師でも、自由競争が浸透しつつある
飽和状態にある薬剤師の年収は、昔と比べて稼げないと語る人は多いです。
しかしがら、過去10年間の薬剤師の平均年収の推移を見ると、決して減少傾向にあるわけではありません。にも関わらず、給与が低いと感じる薬剤師が増えた理由は、年収の二極化が進んでいるからです。
規制産業だった医療業界でも、自由競争が活発になりつつあります。総合病院やクリニックでは、赤字経営を脱し利益を得るために、合理的にビジネスを考える経営者が増えています。その結果、医療に従事する薬剤師にも年収格差が広がっていますね。
薬剤師の年収は、どこで働く場所や地域で年収差が大きい職業でもあります。
「薬剤師の年収は頭打ちだ」「昔と違って薬剤師はもう稼げない」と語る薬剤師は多いです。しかしながら、その一方で地方に行けば土日祝日休みで定時帰り、年収800万円の薬剤師もゴロゴロいる世界です。
例えば、40歳で年収800万円を稼ぐ一方で、同じ病院勤務でも40歳で420万円しか稼げない薬剤師がいますね(参考:【2chまとめ】薬剤師の給料の本音や実情)。
薬剤師の年収は減っていると悲観的に考えるのではなく、どうしたら平均以上の年収を稼げるのか考えましょう。薬剤師ほど、働き方や収入をコントロールしやすい職業はありません。
平均年収以上の稼げる薬剤師の特徴は?
稼げる薬剤師の特徴を紹介します。
特徴1:経験を活かして「現場責任者」で働く
- 現場をマネジメントできる人材は、民間企業で需要が高い
- 調剤薬局でも管理薬剤師になると、年収600〜700万円になる
- ドラッグストアで、店舗責任者になると年収は700万円以上
- 管理薬剤師になると、製薬会社からも需要が高い
薬剤師に必要な基礎知識を習得したら、現場をマネジメントできる管理薬剤師を目指しましょう。管理薬剤師という肩書を貰えれば、現場責任者として責任ある仕事ができます。
調剤薬局やドラッグストアで管理薬剤師になると、その店舗の最高額の給与を得られます。
都内の薬局であれば年収は600万円、地方の年収が高い地域なら700〜900万円、ドラッグストアでも年収700万円以上を得られます。また、調剤経験がある上に現場をマネジメントできる人材は、製薬会社からも需要が高いですね。
管理薬剤師として働いた経験があれば、どこの現場でも高収入を得られます。
特徴2:「専門スキル」を常に磨いている
- 製薬の知識を活かして、日系や外資系でMRを目指す
- 製薬会社で、学術やDI業務(医薬品管理)など研究職を目指す
- 製薬会社で、医薬品情報管理や臨床開発をモニタリングする
- 製薬会社で、新薬のプロモーションや営業を目指す
- 医療業界のメディアで、メディカルライターを目指す
- 癌専門薬剤師の資格を取得するなど、特定の分野を極める
医師の指示通りに処方する薬剤師は、専門家としての自覚を持つのは難しいですよね。しかしながら、本来の薬剤師の業務は、医療機関のスペシャリストである必要があります。専門職である以上は、専門分野を極めるほど年収も右肩上がりに増えます。
薬剤師の認定資格には、「がん専門薬剤師」や「外来がん治療認定薬剤師」などたくさんあります。ひとつでも深い専門領域を持つ事で、他の薬剤師と差別化できます。
国家資格を取得するだけで、薬剤師の給料が増える時代はもう終わっています。30代、40代で給料を増やしたいならば、資格プラスアルファで専門知識が必要です。
特徴3:「地域社会」に貢献できる場所で働く
- 薬剤師が少ない地方ほど平均年収が高い
- 都内薬局の年収は、年収500万円で頭打ち
- 人材不足の地域に行くと、年収600〜800万円もある
- 奈良県の平均年収は777万円、静岡県は684万円もある
- 時間やノルマに追われず、比較的楽に働ける
- 病院に合わせるため、土日祝日が休める
薬剤師は地域社会に貢献できる薬剤師の給与は高いです。
都市ほど薬剤師の数は飽和状態にあり、地方に行くほど薬剤師の数は少なく需要が高いです。地元や地域社会に貢献できる医療従事者はは、日本の医療にもダイレクトに貢献できますね。働く場所を変えるだけで高収入を得られるのは薬剤師の特権です。
薬剤師が余っている都市よりも、自分を必要としてくれる地域社会で働きましょう。
薬剤師の数が少ない地域で働く事で、医療や患者にも貢献でき私たち自身の年収も増えます。物価が高い上に薬剤師の給料が高い都市圏で働く必要はありません。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
まとめ:本当に薬剤師の年収は減少傾向にある?
- 薬剤師の平均年収は、10年間で26万円も増えている
- 男性は横ばいだが、女性の平均年収が底上げされている
- 平均年収は増える一方で、稼げない薬剤師の数は増えている
- 稼げる薬剤師と稼げない薬剤師で、二極化が進んでいる
- 規制産業だった薬剤師でも、自由競争が浸透しつつある
薬剤師の平均年収は、過去10年間で緩やかに上昇していますね。
10年前の平均年収518万円と比較して、26万円(544万円)も上昇しています。同じ期間の会社員の平均年収は、10年間で11万円(430→441万円)しか増えていません。そのため、薬剤師の給料が減少し続けているという事実はないですね。
しかしながら、薬剤師の給料が増えないと感じている人が多いのも事実です。
減少傾向にある人が多い理由は、稼げる薬剤師と稼げない薬剤師で二極化しているからです。稼げない薬剤師は、30歳を過ぎても年収450〜500万円で頭打ちです。対して稼げる薬剤師は、40歳で年収800万円を超えてきます。
資格を取るだけでは、給料が増えない時代に突入していると言えます。薬剤師の資格を取ったから安泰だと考えている人は、これから先も給与は増えません。稼げる薬剤師は、どうしたら年収を増やせるのか、どういう働き方が最適かを常に考えていますね。
稼げる人から見たら、薬剤師ほど稼ぎやすい職業は他にありません。
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