給料が上がらないと不満を嘆く薬剤師が増えていますね。しかしながら、過去の10年間の薬剤師の年収推移を見ると、緩やかに上昇しています。なぜ、薬剤師の給料が少ないと嘆く人が増えたのでしょうか。また、私たち薬剤師が給料を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?
- 「薬剤師の給料って、医師と比べたら鼻くそみたいだよね…」
- 「1千万円を超える学費を払ったのに、費用対効果が悪すぎる…」
- 「薬剤師の数は飽和状態だから、この先も給料は下がり続ける…」
薬剤師の平均年収は、10年前と比較して下がった訳ではありません。2010年と比較して、7年間で25万円も増えています(参考:薬剤師の平均年収・生涯年収など各種データ)。
給料が上がらないと不満を嘆く人が増えた理由は、薬剤師の年収は二極化が進んでいるからです。30代で年収800万円を稼ぐ薬剤師がいる一方で、同じ仕事内容でも年収450万円で頭打ちになる人もいます。
稼げない薬剤師は、安定を目的に国家資格を取得した人たちです。
医療業界の中では医師や歯科医ほど稼げないが、薬剤師ほど仕事が楽で稼ぎやすい職種は他にありません。例えば、薬剤師の数が少ない地域ならば、年収が800万円を超える求人もあります。調剤薬局であれば、土日祝日休みで定時退社できますね。
稼げる薬剤師は、ライフスタイルの目的に応じて働き方を選択している人です。ここでは、私たち薬剤師が今よりも給料を上げる方法を紹介します。
- 薬剤師の給料が上がらないは本当なのか?
- 薬剤師の年収は、供給過多で下がり続けてる?
- 薬剤師が今よりも確実に収入を増やす7つの方法は?
記事の内容を簡単に知りたい
薬剤師の給料が上がらないって本当なの…
給料が上がらない事に不満を嘆く薬剤師は少なくありません。
Aさん)医師に比べたら薬剤師の給料は鼻くそ…
薬剤師のかたに質問。医師に比べて鼻くそみたいな給料で、どうして頑張れるのか理由を教えてください。頑張ってるのに給料が低い。増えない。モチベーション下がりませんか?
昇給が少ない。一般的な生活ができても普通に薬剤師やっててお金持ちになることなんてほとんど出来ないと思うんです。嫌じゃないですか?まわりの900とか1000とか稼いでるMRの同級生たちが、羨ましくみえませんか?高給取りの可能性が一生断たれる職業に好き好んで入る理由がわからなくなっています。
今まで病院薬剤師に憧れて勉強してきました。ですが、その病院内での肩身の狭さ・低収入から見える薬剤師という職業のコストパフォーマンスの低さに失望しています。今、自分がどんな仕事に就きたいのか解らない状況になってしまっています。。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の仕事は病院勤務だけではないですよね。医師と比較したら、薬剤師の給与が低いのは事実です。医師の平均年収の1161万円に対し、薬剤師は542万円しかありません。しかしながら、薬剤師ほど楽に稼ぎやすい職種は他にありません。
薬剤師の数が足りていない地方で働くと、年収は800万円以上です。調剤薬局勤務ならば、土日祝日も休みで定時に帰宅できますね。仕事にやりがいを求めるならば、薬剤師の資格や経験を活かして、製薬会社やドラッグストアに転職する選択肢もあります。
Bさん)薬剤師は飽和状態で今後が予想できない…
薬剤師の現状について。6年間も薬学部で学び、やっと薬剤師になれるのにもかかわらずコストパフォーマンスが悪すぎです。しかも薬学部のカリキュラムは厳しいため時間の拘束なども考えると投資に換算するとかなりの投資になります。あれだけ学費(投資)をかけたのにもかかわらず、年収があれだけ低いのではたまったものではありません。
またお金を得ようと思えば、薬剤師とは離れたことをしなければなりません。薬剤師でお金持ちになるのは不可能です。一般的な生活はできますが…ただ一般の人よりプラスαしていい生活が出来るぐらいに考えていいのではないでしょうか?
失業したときの保険など…しかし薬剤師はそろそろ飽和ですしどうなるか予想できません。とにかく現時点で薬剤師は給料面では報われない!!つまり投資した分に見合う配当金がもらえないということです。(例外はあるでしょうけど)
女性薬剤師として主婦のバイト(パート)としては薬剤師は最強といっても過言ではありません。しかし男性の薬剤師は給料面などさまざまな面で学生時代頑張ったのにもかかわらず低いのかもしれません。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の資格を取得すれば、高収入を得られる時代ではありません。現在の薬剤師業界は、国家資格の知識と経験を活かして自ら稼ぐ時代に突入しています。そのため、同じ病院勤務の40歳でも年収800万円稼ぐ薬剤師もいれば、420万円しか稼げない人もいます。
投資した学費1200万円を回収できるかは、私たち薬剤師の働き方次第です。国家資格を取ったから安泰だと考える人は、年収450万円で頭打ちです。
Cさん)薬剤師の給料は年々相場が下がっている…
【質問】薬剤師として転職を考えています。いまは薬局で働いていますが、どういった職種がおすすめでしょうか。まだ30代なので、長く勤めらる事が一番だと思っています。もちろん年収が高い方がいいのですが・・。
【回答】薬剤師の給料は年々相場が下がっています。調剤薬局は都心では飽和に近いとも言われています。ドラッグは年中募集していますが昔より待遇は良くなっていると言われています。
中途でMRや研究開発はほぼ無理では?病院も厳しいと思います。そうすると調剤薬局かドラッグ?ただ言えることはスキルに応じて給料が正当な対価として支払われるのであって資格に支払われるのではありません。
今はサラリーマンで850万程ですが薬剤師になりたての頃は500万ありませんでした。地域社会や会社への貢献度と自分のスキルにより給料は決まります。850万が安いか高いかは個人の価値観なのでどうでも良いですが自分は概ね満足しています。
年数を重ねていって上がりやすい上がりにくいはあるかもしれませんが資格の上にあぐらかいて座っているようでは何十年経っても給料は上がらないと思います。
あなたが今考えている職種、仕事したらしただけ稼げる会社か土日祝日関係無しに朝から夜中まで仕事出来るのかそうじゃないのか。ある特定の専門分野を極めたいのか?それによっても変わってくると思いますよ。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の給料の相場が下がっていると考える薬剤師は多いですね。しかしながら、厚生労働省の過去10年間の薬剤師の給料を見ると、緩やかに年々上昇している事がわかります。相場が下がったと感じる人が増えたのは、薬剤師の給与が二極化しているからです。
稼げる人は30代でも年収800万円以上稼ぎます。一方で、稼げない薬剤師は30歳で年収が450万円で頭打ちになるからです。自らキャリアを考えて行動できる薬剤師にとっては、国家資格を利用して稼ぎやすい状態は続いています。
では、薬剤師は供給過多で年収が下がり続けているのは、本当なのでしょうか?
薬剤師の「供給過多」で年収は下がり続けている?
薬剤師業界では、今後も年収は増えていかないと言われています。なぜならば、調剤薬局や病院で勤務する薬剤師の数が飽和状態にあるからです。
薬剤師の数は増え続け、1988年から16年間で2倍の28.8万人まで急増しています。2016年には30万人も超えました。しかしながら、2013年時点で薬剤師の供給数は36.9万人に対し、需要数は23.2万人しかありません。
しかしながら、実は薬剤師の給料は減少してはいません。
薬剤師の平均年収の推移を見ると、緩やかに上昇しています(参考:薬剤師の平均年収・生涯年収など各種データ)。にも関わらず、給与が低いと感じる薬剤師が増えたのは、二極化が進んでいるからです。
40歳で年収800万円を稼ぐ一方で、同じ病院勤務でも40歳で420万円しか稼げない薬剤師がいます(参考:【2chまとめ】薬剤師の給料の本音や実情)。稼げる薬剤師は、薬剤師の国家資格と経験を活かして、キャリアを考えた上で働き方を選択しています。
稼げない薬剤師は、国家資格を取得したことに安心しているからです。後者の薬剤師は、年収400〜500万円で頭打ちになります。
では、私たち薬剤師が給料を上げるには、どのような方法があるのでしょうか?
薬剤師が確実に給料を上げる「7つの方法」は?
私たち薬剤師が、今よりも確実に年収を上げる方法を紹介します。
方法1:薬剤師が「少ない地方」の調剤薬局で働く
- 薬剤師が少ない地方ほど平均年収が高い
- 都内薬局の年収は、年収500万円で頭打ち
- 人材不足の地域に行くと、年収600〜800万円もある
- 奈良県の平均年収は777万円、静岡県は684万円もある
- 時間やノルマに追われず、比較的楽に働ける
- 病院に合わせるため、土日祝日が休める
薬剤師の給料を増やす最も簡単な方法は、働く場所を変える事です。
実は薬剤師の給与は、物価が高い都内よりも地方の方が平均年収が高いです。薬剤師に年収が物価に連動しない理由は、全国一律に調剤報酬が設定されているからです。そのため、薬局利用者の数が多くても、土地や人件費が高い東京は不利です。
地方の薬剤師が足りていない地域に行くと、平均年収は600〜800万円の求人がたくさんあります。東京都の平均年収は全国1位で622万円だが、東京よりも薬剤師の年収が高い県は9つもあります。
また、同じ県内でも地域が変われば大きく違います。
例えば、福岡市内の調剤薬局では年収500万円、市内から外れた地域に行くと年収800万円で募集もザラにあります。薬剤師の需要が高い都道府県で働くだけで、簡単に年収を増やす事ができます。
見知らぬ土地に転職するのはハードルが高いが、まずはUターンを選択肢に入れてみましょう。調剤薬局で勤務するならば、都内よりも地方の方が確実に稼げます。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
方法2:製薬会社で「MRや研究職」を目指す
- 製薬会社だと、30代でも800〜1200万円稼げる
- 新薬を開発し日本全国に販売でき、利益率が高い
- 製薬会社の売上は、景気動向の影響を受けない
- 製薬の規制緩和で、ドラッグストアの店舗が急増してる
- 開発費用が高額すぎて、新規参入が難しい業種である
- 難易度が難しい国家資格のため、人材確保が難しい
製薬会社は、就活生に最も人気が高い就職先のひとつですね。
人気が高い理由は、景気動向に左右される安定している上に、高収入を得られるからです。例えば、業界最大手の武田薬品工業の平均年収は1038万円、30歳でも835万円と高収入ですね(参考:武田薬品工業株式会社の年収)。
製薬会社で最も多いMR職は、以前よりも稼ぐのが難しくなっています。それでも、30代で年収1000万円を狙える、数少ない業種ですね。医薬品の専門知識がある薬剤師ならば、製薬会社に就職するのは難しくありません。
MR職以外にも、研究職や管理薬剤師、DI学術など多くの業務があります。
参考:製薬会社の年収800万円は本当?|MRの給料は今後も減る?
方法3:ドラッグストア で「年収500万円」以上稼ぐ
- ドラッグストアだと、20代でも年収500万円以上稼げる
- 薬剤師手当月5〜10万円の他に、時間外手当や夜勤が加算される
- 店舗が増え続けているため、薬剤師の数はまだまだ足りていない
- 医薬品の規制緩和で、ドラッグストアの需要が増している
薬局や病院勤務ならば、ドラッグストアに転職する事で年収を増やせます。
ドラッグストアの給料が高い理由は、薬剤師手当で月5〜10万円得られる上に、残業代や夜勤手当も支給されるからです。薬剤師経験がない新卒でも、年収500万円以上で初任給を掲示しているドラッグストアもあります。
薬剤部門や店舗の責任者に就任すると、年収は700万円以上貰えます。ただし、薬局勤務よりも仕事はハードになりますね。
参考:ドラッグストアの年収は600万円|デメリットや向いている人は?
方法4:公務員試験を受けて「国県立病院」で働く
- 国県立病院の公務員採用だと、年収は421〜939万円
- 公務員給与に準ずるため、経験年数毎に確実に昇給できる
- 民間病院に就職したら、年収は350〜450万円しか貰えない
- 国県立病院は定数があるため、こまめに募集案件を確認する
病院で働きたいならば、国県立病院で公務員薬剤師として働きましょう。
公務員試験に採用して勤務すると、公務員に準じた給料が貰えます。初任給は21万5千円(2級15号俸)で年間賞与は夏と冬で8ヶ月分、等級が増える毎に昇給できます。主任クラスの薬剤師で年収は532万円、規模の大きい病院で薬局長になると939万円です。
対して、民間病院に勤める場合は、年収は350〜450万円だけです。
給与が少ない上に仕事内容はハードで、たくさんの薬剤師が辞めていきます。公務員薬剤師になるのはハードルが高いが、民間病院で働くメリットはないですね。
参考:病院薬剤師の年収は400万円だけ?|国県立と民間病院の違い
方法5:マネジメントできる「管理薬剤師」を目指す
- 現場をマネジメントできる人材は、民間企業で需要が高い
- 調剤薬局でも管理薬剤師になると、年収600〜700万円になる
- ドラッグストアで、店舗責任者になると年収は700万円以上
- 管理薬剤師になると、製薬会社からも需要が高い
薬剤師に必要な基礎知識を習得したら、現場をマネジメントできる管理薬剤師を目指しましょう。管理薬剤師という肩書を貰えれば、現場責任者として現場を任せてもらえます。
調剤薬局やドラッグストアで管理薬剤師になると、その店舗の最高額の給与を得られます。
都内の薬局であれば年収は600万円、地方の年収が高い地域なら700〜900万円、ドラッグストアでも年収700万円以上を得られます。また、調剤経験がある上に現場をマネジメントできる人材は、製薬会社からも需要が高いですね。
管理薬剤師として働いた経験があれば、どこの現場でも高収入を得られます。
方法6:特定の分野で「スペシャリスト」を目指す
- 製薬の知識を活かして、日系や外資系でMRを目指す
- 製薬会社で、学術やDI業務(医薬品管理)など研究職を目指す
- 製薬会社で、医薬品情報管理や臨床開発をモニタリングする
- 製薬会社で、新薬のプロモーションや営業を目指す
- 医療業界のメディアで、メディカルライターを目指す
- 癌専門薬剤師の資格を取得するなど、特定の分野を極める
医師の指示通りに処方する薬剤師は、専門家としての自覚を持つのは難しいですよね。しかしながら、本来の薬剤師の業務は、医療機関のスペシャリストである必要があります。専門職である以上は、専門分野を極めるほど年収も右肩上がりに増えます。
薬剤師の認定資格には、「がん専門薬剤師」や「外来がん治療認定薬剤師」などたくさんあります。ひとつでも深い専門領域を持つ事で、他の薬剤師と差別化できます。
国家資格を取得するだけで、薬剤師の給料が増える時代はもう終わっています。30代、40代で給料を増やしたいならば、資格プラスアルファで専門知識が必要です。
方法7:時給が高い「派遣薬剤師」として働く
- 調剤薬局の派遣薬剤師の時給相場は、2600〜3000円もある
- 薬剤師が少ない地方に行くと、時給4000円で募集している
- 月20日勤務で年収に換算すると、年収は576〜768万円になる
- 昇給額が少ない調剤薬局であれば、派遣やパートで働いた方が得をする
国家資格が必須の薬剤師は、誰でも働ける仕事ではありません。資格が必要な専門業種では、実は派遣の方が高収入を得られます。特に現在の労働者が足りていない日本市場では、短期雇用の派遣の給与は上がり続けています。
調剤薬局の派遣薬剤師の時給は、2600〜3000円です。薬剤師が足りていない地域に行くと、4000円の求人も少なくありません。時給3000円で8時間、20日勤務した場合の月給は48万円ですね。時給4000円ならば64万円です。
年収に換算すると、576〜768万円になりますね。
調剤薬局の昇給額は、初任給に上乗せされているため昇給しません。そのため、正社員で働くよりも派遣で働いた方が得をする薬剤師は少なくないですね。また、薬剤師の6割は女性なので、どちらにしても正社員で働き続けるのは難しいです。
もちろん、雇用が不安定になる、賞与がないなどデメリットもあります。派遣やパートで働く際には、現在の正社員の給与やライフスタイルを確認した上で目指しましょう。
まとめ:薬剤師の年収を上げる7つの方法は?
- 薬剤師が少ない地方の調剤薬局で働く
- 製薬会社に転職し、MRや研究職を目指す
- ドラッグストアで年収500万円以上を稼ぐ
- 公務員試験を受けて、国県立病院で働く
- マネジメントできる管理薬剤師を目指す
- 特定の領域で、薬剤師のスペシャリストを目指す
- 時給が高い派遣薬剤師として働く
薬剤師の平均年収は、10年前と比較して下がった訳ではありません。2010年と比較して、7年間で25万円も増えていますね。
給料が上がらないと不満を嘆く人が増えた理由は、薬剤師の年収は二極化が進んでいるからです。30代で年収800万円を稼ぐ薬剤師がいる一方で、同じ仕事内容でも年収450万円で頭打ちになる人もいます。
稼げない薬剤師は、安定を目的に国家資格を取得した人たちです。
医療業界の中では医師や歯科医ほど稼げないが、薬剤師ほど仕事が楽で稼ぎやすい職種は他にありません。例えば、薬剤師の数が少ない地域ならば、年収が800万円を超える求人もあります。調剤薬局であれば、土日祝日休みで定時退社できますね。
稼げる薬剤師は、ライフスタイルの目的に応じて働き方を選択している人です。薬剤師ほど、働き方や年収をコントロールしやすい業種はないですね。
コメントを残す