薬剤師として働き30歳を過ぎるも、期待したよりも給料が少ないと嘆く人は多いです。薬剤師業界では、30代や40代になると、会社員の給与に逆転されるという噂もあります。でも、本当に私たち薬剤師の給与は、会社員よりも下回るのでしょうか?
- 「薬剤師の平均年収が500万円と聞いて、ショックだった…」
- 「ドラッグストアと比較して、2〜300万円も年収が低い…」
- 「高い学費を払ったのに、年収が低すぎて食べていけない…」
薬剤師の特徴として、20代で給与は高いが30代以降は昇給しにくいです。
薬剤師の20代の平均年収は509万円、会社員平均よりも200万円も高いですね。しかしながら、30代や40代では給与差は縮小します。40代後半の年収差はわずか28万円だけ、50代前半では逆転します。
6年制薬学部の学費1200万円を考えると、ショックは大きいですね。私たち薬剤師が30代以降も給料を増やし続けるには、30歳でキャリアを設計する必要があります。
薬学部を卒業した薬剤師の6割は、調剤薬局や病院に勤務します。しかしながら、ある程度調剤経験を積んだら、更なるステップアップを目指して転職するのが一般的です。幸いな事に薬剤師の経験を活かせる高収入の職業はたくさんありますね。
ここでは、30代薬剤師の平均年収や、国家資格や経験を活かして働ける仕事を紹介します。ただし、収入が少ないからと無理に転職する必要はありません。例えば、調剤薬局は高収入ではないが、土日祝日も休めて定時に帰宅できる貴重な仕事ですね。
大切なのは、人生のライフスタイルやステージに合わせて働き方を変える事です。
- 大手調剤薬局の売上高ランキングと平均年収は?
- 30代の調剤薬局の平均年収は、会社員男性よりも低い?
- 調剤薬局のデメリットと向いている薬剤師は?
記事の内容を簡単に知りたい
30代になったけれど、思ったより年収が低い…
薬剤師になり30歳を過ぎたけれど、期待したよりも給与が増えていないと嘆く人は多いです。
Aさん)30代前半で年収500万円は低すぎる…
薬剤師の給料について質問です。一般的に見て30代前半で年収500万て安すぎですよね?残業はほぼなしです。
薬剤師として転職を考えています。いまは薬局で働いていますが、どういった職種がおすすめでしょうか。まだ30代なので、長く勤めらる事が一番だと思っています。もちろん年収が高い方がいいのですが・・。
30代の薬剤師の平均年収は586万円なので、特別低いわけではないですね。ただし、薬剤師の給与は二極化するので、30代で給与が増えない人はその後も増えません。
調剤薬局は都内では飽和状態に近いです。調剤薬局に勤務するならば、薬剤師の数が少ない地方が良いですね。ドラッグストアでは右肩上がりに店舗数が拡大し、薬剤師の給与も高いです。また、調剤経験を活かして製薬会社に就職する道もありますね。
Bさん)40代で一般企業よりも給料が低くなる…
薬剤師は途中で一般企業の人に給料で追い抜かれるという説について。ネットを見ているとこういうように、30後半~40前半で「一般企業」勤めの人に抜かされるという説をよく見かけますが本当でしょうか?今の若い世代だと将来的にでも年収500万にすら届かない人も結構いそうなんですが…
また「一般企業」というのがどの程度のものを指しているのかというのも気になります。従業員数が余裕で1000人超えているような大企業の事を指しているのではないかと思います。
参考:Yahoo知恵袋
20代の薬剤師の年収は、会社員の平均よりも250万円ほど高いです。しかし、30代や40代で給与差は急激に縮小し、50代前半には抜かれます。6年制薬学部を卒業し1200万円費やした事を考えると悲しい事実ですね。
会社員に抜かれないためには、30歳以降のキャリアを明確に考える必要があります。薬剤師の資格があるからと胡座をかいていると、10年経っても給与は変わりません。
Cさん)32歳で年収570万円だけど仕事が苦痛…
男性薬剤師は将来お先真っ暗でしょうか?半分愚痴になりますが、すいません。高校3年の時に進路選択で、本当は医者になりたかったのですが、当時極度の人見知りと対人恐怖症で医者なんか務まる訳ないと思い医学部は断念しました。
そして国立大薬学部に入学。友達はできなかったけどなんとか大学3年まで乗り切りました。(私の頃は4年制でした)4年次に研究室配属になるのですが、薬がどのように人体に作用するか興味があったので医薬品作用学の研究室に行きたかったのですが、まさかのジャンケンで負けて行きたくもない研究室へ…元々行きたくなかったということと、その研究室が京都大学に移転することもあり大学院は断念しました。行きたくない研究室に配属になったことと、口下手な自分が薬剤師なんて務まるはずがないという思いでの就職活動のストレスで酷い鬱病になり、本気で自殺を考えました。ですが、なんとか就職も決まって両親も一安心だったようです。
その後、調剤薬局→調剤薬局→個人の精神科病院→調剤薬局と転々としてきて、今は元MRの先輩薬剤師が開局した個人薬局で仕事をしています。私は現在32歳で、年収は570万前後です。他の同年代の方よりかは貰ってるほうだとは思います。
しかし薬剤師の世界では悪い話ばかり耳にします。将来薬剤師過剰になり職にあぶれる人が出てくること、調剤報酬点数の減額、初任給こそ高いけど昇給がほとんどなくいずれはそこらのサラリーマンに給料を抜かされること、等々…
同じ薬剤師の方で気分を悪くされる方がいましたら申し訳ないのですが、調剤薬局の薬剤師としての仕事に全く魅力を感じず、日々の仕事がルーチンワークのようで苦痛です。病院に勤めていた時は調剤のみで医者との回診などはなく、こちらも面白みを感じませんでした。
こんな私ですが最近結婚して子供を授かり、嫁は今妊娠8か月です。マイホームを建てるために土地を買い、住宅ローンも組みました。なので転職だのなんだの言ってる余裕はなく、とにかく安定収入が求められてます。ですので現状のまま調剤薬局の薬剤師を続けるほかありません。そこで薬剤師の方に限らず皆様のご意見をお聞きしたいのですが、
- このまま調剤薬局で、将来的には収入は少ないですが今の仕事を続けるべきなのか
- 思い切って転職して薬剤師とは違った自分のやりたい仕事をすべきなのか
をお聞かせ願いたいです。尚、私はメンタルが非常に弱いので誹謗中傷は勘弁してください><。長々と長文失礼しました。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の資格を活かせない仕事に就くのはお勧めしません。未経験で別の業種に就職すると、30代でも年収は300万円以下になるからです。私たち薬剤師は普段意識していないだけで、薬剤師の資格に助けられていますね。
調剤薬局や病院以外の仕事を選択しても、薬剤師の資格があれば就職先は困りません。
例えば、製薬会社の学術やPMS、DI業務(医薬品情報管理)、DM(臨床開発モニターなど情報収集)、薬事申請、アカウント・エグゼクティブ、医薬品販促のプロモーション、新薬の営業担当、メディカルライターなど、たくさんの仕事があります。
薬剤師の資格を活かせる職業で、自分がやりたいと思う仕事を探してみましょう。では、30代の薬剤師の平均年収は、いくらが相場なのでしょうか?
30代薬剤師の年収は?会社員に逆転されるは本当?
薬剤師の30代の平均年収はいくらが妥当なのでしょうか。また、薬剤師の平均年収は、一般会社員に逆転されると聞いたけど、本当なのでしょうか?
その1:30代薬剤師の平均年収は「586万円」?
- 製薬会社(MR):年収800〜1200万円
- ドラッグストア:年収500〜700万円
- 調剤薬局:年収450〜550万円
- 病院勤務:年収350〜400万円
職種別の平均年収の目安は上記の通りです。ちなみに、国税庁が公表する薬剤師20代の平均年収は551〜661万円です(参考:民間給与実態統計調査)。20代の薬剤師と比較して、70〜150万円ほど高い給与ですね。
薬剤師は働く場所によって、年収が大きく異なる職業です。
30代になると、職種別の年収差はさらに大きくなります。大手製薬会社に勤務すると30歳でも、年収800万円を得られます。また、ドラッグストア でも、薬剤部門や店舗責任者に就任されれば、年収は700万円以上ですね。
反対に、調剤薬局や病院に勤務したら、20代と比較して年収は変わりません。調剤薬局や病院勤務の場合、初任給に昇給額が上乗せされているからです。
参考:20代薬剤師の年収は509万円|会社員より昇給しない理由は?
その2:会社員男性に「50代前半」で逆転される?
年代別 | 薬剤師 | 一般会社員 | ||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
20代前半 | 487万円 | 496万円 | 279万円 | 243万円 |
20代後半 | 536万円 | 517万円 | 393万円 | 318万円 |
30代前半 | 599万円 | 551万円 | 461万円 | 315万円 |
30代後半 | 661万円 | 576万円 | 517万円 | 315万円 |
40代前半 | 661万円 | 579万円 | 569万円 | 308万円 |
40代後半 | 658万円 | 617万円 | 630万円 | 310万円 |
50代前半 | 665万円 | 580万円 | 677万円 | 302万円 |
50代後半 | 680万円 | 586万円 | 669万円 | 298万円 |
参考:薬剤師の年収は542.5万円|男女別、年代別、会社別の相場は
薬剤師になると、30〜40代で一般会社員と年収が逆転すると言われています。
正確にいうと、男性会社員に限定した場合、50代前半で給与は逆転します。ただし、30代や40代で差は徐々に小さくなり、40代後半では28万円しか違いません。実力主義の民間企業では、30代で薬剤師より稼ぐ会社員はたくさんいます。
40代後半や50代前半で給与が逆転する事実は、かなりショックですよね。私たち薬剤師は国家資格を取得のために、6年制の大学を卒業し1200万円もの学費を払います。
40代や50代でも昇給し続けるには、30歳以降のキャリアの考え方で差が出ます。
厳しい言い方をすると、国家資格を取得したからと胡座をかいていると、何十年働いても給料は増えません。薬剤師はスキルに応じて正当な給料が支払われるのであって、資格に支払われる訳ではない事を肝に銘じておきましょう。
会社員に追い越されるかどうかは、結局のところ本人次第です。では、30代以降では薬剤師の資格と経験を活かして、どのような働き方があるのでしょうか?
その3:薬剤師の資格と経験を「活かせる職業」は?
- 調剤薬局やドラッグストアで管理薬剤師を目指す
- 薬剤師の公務員試験を受けて、国県立病院で働く
- 薬剤師の資格を活かして、保健所や役所で働く
- 製薬の知識を活かして、外資系の製薬会社でMRを目指す
- 製薬会社で学術やDI業務(医薬品管理)など研究職を目指す
- 新薬のプロモーションやメディカルライターを目指す
薬剤師の将来性を悲観する人は多いですよね。
でも、冷静に考えて薬剤師の資格がある事で、転職が不利になる事はありません。50代の男性会社員と比較したら同額だけれども、高収入なのは間違いないですよね。薬剤師の6割は女性だが、女性の同年代と比較すると倍以上の給料を得られます。
また、薬剤師の資格や経験を活かせる高収入の就職先はたくさんあります。
調剤やマネジメント経験があれば、管理薬剤師を目指すのが良いですね。また、製薬会社ではMRや研究職以外にも、様々な職種があります。家庭を中心にしたいか、残業代や夜勤手当でたくさん給与が欲しいか、特定の分野の専門家を目指したいかでも大きく変わりますね。
まずはどのような選択肢が自分にあるのか、どのような人生を生きたいか考えてみましょう。
30歳を過ぎたら、将来のビジョンを明確に決める
将来のビジョンを明確にした上で、私たちは今後の働き方を考える必要があります。サラリーマンと比較して、薬剤師は自分で働き方を選択しやすい職業です。
選択肢1:収入が少なくても調剤薬局で楽に働く
- 調剤業務など、薬剤師に必要な基礎知識が身に付く
- 時間やノルマに追われず、比較的楽に働ける
- 病院に合わせるため、土日祝日が休める
- 薬剤師が少ない地方だと、年収は5〜800万円になる
- 管理薬剤師になると、給料が低い地域でも年収700万円
- 地方では常に需要があるため、定年以降でも働きやすい
薬剤師になったからと無理に稼ぐ必要はないですね。調剤薬局の最大の特権は、他の薬剤師と比較して楽に高収入を得られる事です。薬剤師の資格がないと出来ない仕事なので、需要はどこにでもありますね。
土日祝日が休みで、毎日定時に帰宅できる職種は限られますよね。薬剤師の数が少ない地方に行けば年収は500〜800万円を稼げます。また、薬剤師の数が多い都市でも、管理薬剤師になれば年収700万円は狙えます。
家族や家庭がある女性からしたら、調剤薬局ほど働きやすい仕事はありません。
参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?
選択肢2:残業代や夜勤手当で高収入を目指す
- ドラッグストアだと、20代でも年収500万円以上稼げる
- 薬剤師手当月5〜10万円の他に、時間外手当や夜勤が加算される
- 薬剤部門や店舗責任者になると、年収700万円以上を得られる
- 店舗が増え続けているため、薬剤師の数はまだまだ足りていない
- 医薬品の規制緩和で、ドラッグストアの需要が増している
薬剤師で手っ取り早く収入を増やす方法は、労働時間を増やす事です。
ドラッグストアに勤務すれば、薬剤師手当の他に時間外手当や夜勤が加算されます。そのため、単純に労働時間を増やせば、調剤薬局で働くよりも200〜300万円も増えます。ただし、ドラッグストアに就職するならば、店舗責任者や管理薬剤師を目指しましょう。
調剤経験やマネジメント経験があれば、どこの企業に応募しても需要が高いです。逆にいうと、調剤薬局が併設していない、品出しやレジ打ちが多い店舗は絶対に避けた方が良いですね。責任者になれなければ、40歳手前で給与は頭打ちになります。
選択肢3:製薬会社で医薬品のスペシャリストを目指す
- 製薬の知識を活かして、日系や外資系でMRを目指す
- 製薬会社で、学術やDI業務(医薬品管理)など研究職を目指す
- 製薬会社で、医薬品情報管理や臨床開発をモニタリングする
- 製薬会社で、新薬のプロモーションや営業を目指す
- 医療業界のメディアで、メディカルライターを目指す
- 癌専門薬剤師の資格を取得するなど、特定の分野を極める
調剤薬局や病院以外の仕事を選択しても、薬剤師の資格があれば就職先は困りません。直接的に調剤や医薬品と関係ない職場でも、薬剤師というだけで優遇もされますね。
例えば、製薬会社の学術やPMS、DI業務(医薬品情報管理)、DM(臨床開発モニターなど情報収集)、薬事申請、アカウント・エグゼクティブ、医薬品販促のプロモーション、新薬の営業担当、メディカルライターなど、たくさんの仕事があります。
医療業界では専門分野化が進んでいるため、薬剤師の業務も専門化が進んでいます。各分野のスペシャリストを目指す事で、年収を大きく増やすことができますね。逆にいうと、調剤薬局や病院で医師の処方通りに薬を出すだけでは、今後も年収が増える要素はありません。
まとめ:30代薬剤師の平均年収は「586万円」?
- 調剤薬局やドラッグストアで管理薬剤師を目指す
- 薬剤師の公務員試験を受けて、国県立病院で働く
- 薬剤師の資格を活かして、保健所や役所で働く
- 製薬の知識を活かして、外資系の製薬会社でMRを目指す
- 製薬会社で学術やDI業務(医薬品管理)など研究職を目指す
- 新薬のプロモーションやメディカルライターを目指す
薬剤師の特徴として、20代で給与は高いが30代以降は昇給しにくいです。
薬剤師の20代の平均年収は509万円、会社員平均よりも200万円も高いですね。しかしながら、30代や40代では給与差は縮小します。40代後半の年収差はわずか28万円だけ、50代前半では逆転します。
6年制薬学部の学費1200万円を考えると、ショックは大きいですね。私たち薬剤師が30代以降も給料を増やし続けるには、30歳でキャリアを設計する必要があります。
薬学部を卒業した薬剤師の6割は、調剤薬局や病院に勤務します。しかしながら、ある程度調剤経験を積んだら、更なるステップアップを目指して転職するのが一般的です。幸いな事に薬剤師の経験を活かせる高収入の職業はたくさんありますね。
ただし、収入が少ないからと無理に転職する必要はありません。例えば、調剤薬局は高収入ではないが、土日祝日も休めて定時に帰宅できる貴重な仕事ですね。大切なのは、人生のライフスタイルやステージに合わせて働き方を変える事です。
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