調剤薬局に就職するも、給料の低さに不満を語る薬剤師は少なくありません。調剤薬局勤務だと、30代で年収は500万円前後、それ以降は頭打ちで上がりにくいです。製薬会社やドラッグストア と比較して、なぜ薬局薬剤師の給料は低いのでしょうか?
- 「薬剤師の平均年収が500万円と聞いて、ショックだった…」
- 「ドラッグストアと比較して、2〜300万円も年収が低い…」
- 「高い学費を払ったのに、年収が低すぎて食べていけない…」
調剤薬局の給料は、製薬会社やドラッグストアと比較して低いです。
調剤薬局の年収は30代で400〜500万円に対して、ドラッグストアなら700〜800万円です。また、就活生に人気が高い大手製薬会社ならば、年収は800〜1000万円になります。調剤薬局に就職すれば、奨学金の返済に追われる苦しい生活を送る事になりますね。
調剤薬局の給料が低い理由は、規制された調剤報酬に原因があります。
調剤報酬によって製薬価格が決められるため、企業努力では売上や利益を伸ばせないからです。また、調剤薬局の数はコンビニよりも多く5.9万店舗もあります。これだけ数が増えてしまうと、売上も平坦化されます。また、全国一律に調剤報酬が決まるため、地代や物価が高い都市は不利です。
東京都よりも、奈良や静岡、青森の方が薬局薬剤師の給与は高い逆転現象が起きています。
こうした業界の事情もあり、薬局薬剤師の給与は30代で高止まりします。40代や50代で給与を増やしたい人は、製薬会社やドラッグストアに転職しステップアップしていますね。
ここでは、大手調剤薬局の売上や平均年収を紹介します。また、調剤薬局に勤めるデメリットや向いている薬剤師も紹介します。個人的には、調剤薬局で働くならば都内よりも平均年収が高い地方へ、都内で働くならば製薬会社やドラッグストアに転職すべきだと思います。
- 大手調剤薬局の売上高ランキングと平均年収は?
- 30代の調剤薬局の平均年収は、会社員男性よりも低い?
- 調剤薬局のデメリットと向いている薬剤師は?
記事の内容を簡単に知りたい
国家資格を取ったのに、年収が500万円しかない…
調剤薬局の給料の低さに、不満を漏らす薬剤師は多いですよね。実は薬剤師は、費用対効果が悪い国家資格だと言われています。
Aさん)調剤薬局の平均年収は500万円だけ…
薬剤師って難易度の割に給料が低すぎると思うのですが調剤薬局って儲からないのですか?かなりの数の薬局がありますがあれって経営成り立つのですか?薬剤師の平均年収が500万くらいとなっており、かなりビックリしました。同じ平均年収だと放射線技師と同じくらいでした。
放射線技師は4卒でも取れる資格なので薬学部にいくメリットってほぼないような気がします。実際に薬剤師になるよりも放射線技師や栄養士になった方が割がいいと思うのは私だけですか?
参考:Yahoo知恵袋
調剤薬局業界で、売上に影響を与えるのは診療報酬です。そのため、企業が経営努力しても、売上高や利益率に差は出ません。調剤薬局はコンビニの数よりも多い5.9万店舗もあるため、平均以上に稼ぐのが難しい職種です。20代でも高い給与を得られる反面、30代以降で年収500万円が頭打ちです。
放射線技師の平均年収は513万円、栄養士は346万円です。費用対効果的には悪いけど、単純に年収で比較したら薬剤師の方がマシです。
Bさん)薬局よりドラッグストアの方が確実に稼げる…
調剤薬局orドラッグストアどちらに就職しようか迷っています。薬学生の男です。6年生のため、薬剤師として働きたいと思っております。最初はやりがい、薬剤師のスキルアップのため、調剤薬局に勤めたいと考えていましたが、年収の面で迷いが生じています。
調剤薬局、ドラッグストア、一般的に将来的には年収も同じようなものになり、どっちにいっても同じようなもの。という意見がよくあると思うのですが、30代で調剤薬局は400~500万円、ドラッグストアは700~800万円と聞きます。
生涯年収の面ではかなり差がでると思います。お金の事ばかりいうのもよくないと思いますが、単純計算で生涯年収に数千万円の差がでるということですよね?いずれは家族を養うことなど考えると、年収の多いドラッグストアの方がいいですかね?調剤薬局、ドラッグストアで働いている方、または他の業種の社会人の方、アドバイスをいただきたいです。
アドバイス以外のコメントはご遠慮お願いします。(こんな事聞くな!などなど・・・)
参考:Yahoo知恵袋
調剤薬局よりもドラッグストアの方が平均年収は高いです。なぜならば、薬剤師手当で月5〜10万円を得られる上に、残業代や夜勤手当が付くからです。調剤併設型のドラッグストアも増えているため、薬局ではなくても調剤経験を積めます。
ただし、ドラッグストアの方が仕事はハードになります。
Cさん)高い学費を掛けたのに薬剤師の給料が低すぎる…
薬剤師の現状について。6年間も薬学部で学び、やっと薬剤師になれるのにもかかわらずコストパフォーマンスが悪すぎです。しかも薬学部のカリキュラムは厳しいため時間の拘束なども考えると投資に換算するとかなりの投資になります。あれだけ学費(投資)をかけたのにもかかわらず、年収があれだけ低いのではたまったものではありません。
またお金を得ようと思えば、薬剤師とは離れたことをしなければなりません。薬剤師でお金持ちになるのは不可能です。一般的な生活はできますが…ただ一般の人よりプラスαしていい生活が出来るぐらいに考えていいのではないでしょうか?失業したときの保険など…しかし薬剤師はそろそろ飽和ですしどうなるか予想できません。とにかく現時点で薬剤師は給料面では報われない!!
つまり投資した分に見合う配当金がもらえないということです(例外はあるでしょうけど)。女性薬剤師として主婦のバイト(パート)としては薬剤師は最強といっても過言ではありません。しかし男性の薬剤師は給料面などさまざまな面で学生時代頑張ったのにもかかわらず低いのかもしれません。
参考:Yahoo知恵袋
薬剤師の平均年収は542.5万円と、会社員平均と比較したら低くはありません(参考:薬剤師の年収は542.5万円|男女別、年代別、会社別の相場は)。しかしながら、薬剤師の資格を得るために、1200万円前後の学費を投じていますね。そのため、薬剤師は費用対効果が悪い職業だとも言われています。
薬剤師は働き方によって収入が大きく異なります。調剤経験を生かして製薬会社やドラッグストアで働けば、年収600万円以上は稼げます。特に、大手製薬会社は平均年収で1千万円を超えるほど高収入です。純粋に給料を増やしたいと思うならば、調剤薬局以外の働き方も考えてみましょう。
薬剤師に限らず、専門職を目指すなら付加価値を付ける必要があります。薬剤師の資格を取得したら、将来が安定すると考える方が危険ですね。
それでは、私たち薬剤師が調剤薬局に勤務すれば、年収はいくら貰えるのでしょうか?
薬剤師の年収比較、調剤薬局の年収は「450〜500万円」
薬剤師 | 初任給 | 初年収 | 30歳前後の年収 |
---|---|---|---|
製薬会社 | 22万円 | 300〜350万円 | 600〜800万円 |
ドラッグストア | 25〜35万円 | 350〜450万円 | 500〜700万円 |
調剤薬局 | 22〜30万円 | 350〜400万円 | 450〜500万円 |
病院勤務 | 20〜25万円 | 300〜350万円 | 350〜420万円 |
調剤薬局は、初任給や初年収は製薬会社や病院勤務より高いです。
しかしながら、30歳前後の平均年収を見ると、製薬会社やドラッグストアよりも大きく下がります。製薬会社の年収は、管理薬剤師や店舗責任者でも500〜600万円程度で頭打ちです。調剤薬局の年収に限度がある理由は、診療報酬に売上が左右される規制業界だからですね。
調剤薬剤師が年収500万円以上を稼ぐには、管理薬剤師を目指すか薬剤師が足りてない地方で働く必要があります。実は、東京や大阪で働く調剤薬局よりも、奈良県、静岡県、青森県で働く薬剤師の方が給料は高いです(参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?)。
では、大手薬局で働いた場合、どれくらいの年収を稼げるのでしょうか?
大手調剤薬局の売上高ランキングと平均年収は?
調剤薬局業界は、2年に1回行われる診療報酬改定によって決まります。近年の傾向としては、調剤報酬の減額や加算要件の厳格化など、調剤薬局によってマイナスが目立ちます。2018年度の売上高1位は、アインホールディングス の2450億円でした。
その1:調剤薬局の売上高ランキングと平均年収は?
順位 | 企業名 | 売上高(百万円) | 平均年齢 | 平均年収 |
---|---|---|---|---|
1位 | アインホールディングス | 245,003 | 39歳 | 630.5万円 |
2位 | 日本調剤 | 208,622 | 34歳 | 558.0万円 |
3位 | クオール | 134,148 | 35歳 | 476.9万円 |
4位 | 総合メディカル | 106,283 | 36歳 | 448.1万円 |
5位 | スズケン | 94,657 | 44歳 | 635.4万円 |
6位 | 東邦ホールディングス | 93,222 | 46歳 | 624.4万円 |
7位 | メディカルシステムネットワーク | 90,706 | 40歳 | 563.5万円 |
8位 | トーカイ | 41,817 | 38歳 | 506.7万円 |
9位 | ファーマライズホールディングス | 40,613 | 42歳 | 593.3万円 |
10位 | シップヘルスケアホールディングス | 25,585 | 42歳 | 754.7万円 |
業界最大手であるアインホールディングスの売上高は、2450億円です。平均年収は630万円、30歳で502万円を得られます。調剤薬局の平均年収は、一般企業と比較したら悪くはありません。しかしながら、ドラッグストアや製薬会社と比較すると高くはないですね。
また、私立薬学部の学費が1200万円だと考えると、費用対効果は悪いですよね。製薬会社やドラッグストアの大手10社と比較すると、調剤薬局の給料は1番低いです。
- 製薬会社:平均年収982万円
- ドラッグストア:平均年収627万円
- 調剤薬局:平均年収579万円
調剤薬局業界の売上高は、年々減少傾向にあります。2018年度の売上高で、前年比を上回ったのは3社だけです。前年比を下回る企業が多い理由は、調剤報酬の減額があるからです。医療費の負担だけで42兆6000億円を超える状況下では、今後も調剤報酬は減らされる事が予想できます。
その2:30代は会社員男性よりも給料が低い?
薬剤師の30代の月給は、日本の平均よりも低い。20代で貰いたい理想の年収はおよそ462.0万円を超える年収です。30代になると、薬剤師としてある程度力がついてきたころ。役職についたり、責任ある仕事を任されることも。そんな30代で貰いたい理想の年収は490.0万円を超える年収です。
調剤薬局は、男性がすべきではない仕事と言われる事もあります。
なぜならば、初任給や20代前半の給料は高いけれども、30代では会社員男性の平均よりも下回るからです。給料バンクによると、30代の理想年収は490万円、20代と比較して28万円しか違いません。対して、会社員男性は30代から年収が大幅に増え、461〜517万円あります。
国家資格に6年費やした薬剤師から見ると、かなり辛い結果ですよね。
薬剤師は国家資格のおかげで20代は高収入を得られます。その反面、30歳以降は昇給しにくい特徴があります。30代以降でも薬剤師で高収入を得る人は、製薬会社やドラッグストアにステップアップしています。
その3:地方に行くほど調剤薬剤師の給与は高い?
調剤薬局の特徴として、数が少ない地方に行くほど給料が高くなります。
薬剤師の平均年収が最も高い都道府県は、奈良県の777.3万円です。意外にも、東京都の平均年収は570万円と10位にランクインしています。東京の会社員の平均年収は622万円なので、国家資格がある薬剤師の方が会社員よりも給料が低いですね。
東京や大阪よりも地方都市の年収が高い理由は、人件費や家賃などの物価差と連動しないからです。調剤薬局や病院の売上げは、政府で管理されている調剤報酬で全国一律です。そのため、物価が安い地域の方が、物価や経費が安く利益率が高いです。地方には薬剤師が少ないため、高収入で人材を募集しています。
では、調剤薬局のデメリットや向いている薬剤師は、どんな人がいるのでしょうか?
調剤薬局の「デメリット」や向いている人は?
調剤薬局と比較したドラッグストア のメリットとデメリットを紹介します。デメリットを正しく把握する事で、ドラッグストアに向いている薬剤師もわかりますね。
その1:ドラッグストアと比較した薬局の「デメリット」は?
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ドラッグストア |
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調剤薬局 |
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調剤薬局で働くメリットは、薬剤師に必要な基礎知識を一通り学べる事です。
また、営業時間は病院に合わせるため、土日祝日も休める上に定時退社もできます。また、一般的な企業と比較して、売上やノルマに追われず比較的に楽に働けますね。地域の調剤薬局は常に需要があるため、定年を過ぎてからでも働く事もできます。
ストレスが少ない業務で、20代で年収400〜500万円稼げるのは大きなメリットですね。
その2:調剤薬局に「向いている薬剤師」は?
- 経験が浅い20代で、調剤業務の基礎を身につけたい
- 利益主義のストレスが高い民間より、楽に働きたい
- 土日祝日休みで、毎日定時に帰宅したい
- 臨機応変よりも、単調な仕事が向いてる人
- 相対的に給料が低い都市ではなく、地方で働きたい
調剤薬局が向いている人は、調剤業務の基礎をしっかり身につけたい人です。
また、利益至上主義でストレスが高い職場で働くよりも、比較的のんびりと楽に働きたい人も調剤薬局に向いていますね。調剤薬局の休みは病院に合わせるため、土日祝日休みの上に定時に帰宅できます。臨機応変よりも、単調な業務が向いている人にも良いですね。
また、東京や大阪などの都市よりも、地方でのんびり働きたい人も向いています。薬剤師の数が少ない地方ほど給料は高く、奈良県の平均年収は777万円と高収入を得られます(参考:地方に行くと年収は800万円?|地方ほど高給になる理由は?)。
その3:「地域密着」で薬剤師が少ない地方を選ぶ?
調剤薬局で働くならば、「地域密着型」で薬剤師が少ない地域で働きましょう。
全国に調剤薬局がある大手チェーン店で働くと、全国に転勤する可能性があるからです。薬剤師であれば、大手チェーン店で働くメリットはありません。なぜならば、薬剤師の資格さえあれば、どこでも働けるからです。調剤薬局の数は、コンビニよりも多く5.9万店舗もあります。
また、薬剤師が少ない地方ほど給料は高いですね。奈良県や静岡県、青森県ならば、都内で働く薬剤師よりも高給です。地域の物価差を考慮すると、2〜3倍も生活水準が高くなりますね。結婚や出産後も、子育てがしやすい地方で働けるのは薬剤師の強みです。
製薬会社やドラッグストアに就職しないならば、東京や大阪などの都市で働く必要性はありません。
まとめ:調剤薬局だと年収は500万円だけ?
- 経験が浅い20代で、調剤業務の基礎を身につけたい
- 利益主義のストレスが高い民間より、楽に働きたい
- 土日祝日休みで、毎日定時に帰宅したい
- 臨機応変よりも、単調な仕事が向いてる人
- 相対的に給料が低い都市ではなく、地方で働きたい
調剤薬局の給料は、製薬会社やドラッグストアと比較して低いです。調剤薬局の年収は30代で400〜500万円に対して、ドラッグストアなら700〜800万円です。また、就活生に人気が高い大手製薬会社ならば、年収は800〜1000万円になります。調剤薬局に就職すれば、奨学金の返済に追われる苦しい生活を送る事になりますね。
調剤薬局の給料が低い理由は、規制された調剤報酬に原因があります。
調剤報酬によって製薬価格が決められるため、企業努力では売上や利益を伸ばせないからです。また、調剤薬局の数はコンビニよりも多く5.9万店舗もあります。これだけ数が増えてしまうと、売上も平坦化されます。また、全国一律に調剤報酬が決まるため、地代や物価が高い都市は不利です。
東京都よりも、奈良や静岡、青森の方が薬局薬剤師の給与は高い逆転現象が起きています。
こうした業界の事情もあり、薬局薬剤師の給与は30代で高止まりします。40代や50代で給与を増やしたい人は、製薬会社やドラッグストアに転職しステップアップしていますね。個人的には、調剤薬局で働くならば都内よりも平均年収が高い地方へ、都内で働くならば製薬会社やドラッグストアに転職すべきだと思います。
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